[西岡明彦]クロップ時代が終わるリヴァプール、来季の新体制は?

ユルゲン・クロップの時代は終わりを迎えようとしている photo/Getty Images

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 ユルゲン・クロップ監督が今季限りでクラブを去り、来季から新体制がスタートするリヴァプールですが、新たなフロントの陣容が固まり既に動き出しています。

 リヴァプールのオーナーであるフェンウェイ・スポーツ・グループは3月にマイケル・エドワーズがフットボール部門のCEOとしてリヴァプールに復帰することを発表しました。2016年からリヴァプールでスポーツダイレクターを務めていたエドワーズは、ファン・ダイクやサラーなどの獲得に尽力しましたが、2022年夏にクラブを離れていました。今回は前職より重責となるポストで復職し、手腕を発揮することになります。

 早速、エドワーズは参謀としてボーンマスでスポーツダイレクターを務めているリチャード・ヒューズを招聘しました。アタランタ(イタリア)の下部組織で育ったヒューズは18歳で母国イングランドに戻り、アーセナルのリザーブチームを経て、ボーンマスやポーツマスでプレイした元選手です。ミラノを拠点に代理人やスカウトとして活動していた父の影響を受け、フットボール関連の多様な知識を蓄えているヒューズ。監督人事や選手編成の陣頭指揮を務めることになります。元ボーンマスのチーフスカウト、デス・テイラーは、「リチャードはイタリア語とフランス語が流暢で、リーダーシップ、技術の査定といったフットボールの IQ だけでなく、学問的な IQ も高い。契約交渉術を父から学んだことも大きい。リヴァプールで彼の才能が開花するのは間違いないだろう」と太鼓判を押しています。

 さらにベンフィカのスポーツダイレクター、ペドロ・マルケスの招聘も確実に。マンチェスター・シティを含むシティ・フットボール・グループでコーチングと分析担当として働いていた経験のあるマルケスによって、複数クラブを統括するマルチクラブ構造を構築することで、選手の成長を促すことや移籍マーケットでの資金獲得を狙い、フェンウェイ・スポーツ・グループをより大きな組織にしたいという目論見があるようです。

 すでに来季の編成に着手しているエドワーズCEOは今回の人事について、「リチャードも私もこのクラブで仕事をすることの責任の重さを十分に理解している。ユルゲン・クロップが残してくれたレガシーをさらに積み上げなければならないことは誰にとっても明らかである。リチャードは重要な決断を下すのに正しい人間であり、輝かしい未来をもたらすリーダーシップを発揮してくれるだろう」と期待を語りました。

 新監督の招聘や、さらなるレベルアップが期待できる選手編成。今後のリヴァプールの躍進は刷新されたフロント陣の手腕に掛かっています。

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