チャルハノールがPKキッカーを譲ろうとするも拒否 ラウタロが見せた真のキャプテンシー 

ゴール後にチャルハノールを祝福するラウタロ photo/Getty Images

個人の利益よりもチームの勝利

インテルは28日、セリエA第34節でトリノと対戦し、2-0の勝利を収めた。

前節のミラノダービーで宿敵ACミランを2-1で撃破し、すでに3シーズンぶり20度目のスクデット獲得を決めているインテル。この日もほとんどの主力たちがスタメンに名を連ねたが、なかなかゴールネットを揺らすことができない時間が続いた。

しかし、後半に入りトリノが退場者を出すと、56分にハカン・チャルハノールが鮮やかなボレーを叩き込み、インテルが先制に成功。さらに直後の60分には、マルクス・テュラムが倒されて得たPKからチャルハノールがこの日2点目となるゴールを決め、勝利を手繰り寄せた。そして、このPKのシーンではラウタロ・マルティネスのとった行動が話題を呼んでいる。

インテルでPKキッカーを任されているのは、キックに定評のあるチャルハノールである。しかし、そのチャルハノールが今回はラウタロにキッカーを譲ろうとしたのだ。この背景には、ラウタロに今季のセリエA得点王がかかっていることや(現在23ゴールでランキング首位)、2月28日のアタランタ戦以降このエースが得点から遠ざかっていることなど、さまざまな要因があったに違いない。もちろん、すでに優勝を決めていることも影響したはずだ。

しかし、ラウタロはそんな優しさを見せたチャルハノールの提案を拒否。トリノ相手にリードは1点、数的優位とはいえ試合時間が30分以上も残されていた状況もあっただろうが、いついかなるときも勝利を目指す。目先にある個人の利益よりも、チームの勝利のためにより確実性を高い方を選んだのだ。これぞ真のキャプテンだ。チャルハノールがしっかりPKを沈めた後、ラウタロが満面の笑みで祝福しているシーンも非常に印象的だった。

なお、試合後にチャルハノールがこの出来事を『DAZN』のインタビューで振り返っていた。

「僕は彼に決めて欲しかった。なぜなら、彼がカポカノニエーレ(得点王)として見られるのは、僕にとっても喜びだからね。しかし、彼は僕に蹴れと言ったんだ。僕らはピッチ内外で一緒に過ごしており、ともに多くの時間を楽しんでいるよ」

ラウタロがチームメイトたちから尊敬され、多くのファンから愛されている理由が垣間見れたかもしれない。

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