ユナイテッドに何年間も欠けているものは「6番」 キャリックの後継者を未だ見つけられない問題

キャリックはユナイテッドの中盤の底で力を発揮していた photo/Getty Images

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カゼミロは昨季は良かったが

プレミアリーグで6位に甘んじているマンチェスター・ユナイテッド。昨季は3位で終えたためリーグタイトルの期待もかかっていたが、今季タイトルが期待できるのはFAカップのみ。来季の欧州コンペティションへの出場もどうなるか分からないという苦戦のシーズンとなってしまった。

原因はさまざまなことが考えられる。ウェイン・ルーニーやロビン・ファン・ペルシーのような点取り屋がいないこと、指揮官がすぐ代わってしまい安定しないこと、それが引き起こす戦術の欠如など。『The Athletic』は、もっとも大きな原因のひとつに「6番」の選手が不在であることを挙げている。ゲームを理解し、テンポをコントロールする選手のことだ。

かつてはマイケル・キャリックという名手がいた。しかし2018年に引退を発表して以来、後継者となれるような選手がいない。優れた選手はたくさんいたのだが、いわゆる6番として活躍した選手はあまり思い当たらない。
キャリックがまだ在籍していた頃にはポール・ポグバ、マルアン・フェライニ、アンデル・エレーラらを擁していたが、彼らは純粋な6番タイプではない。2017年にはネマニャ・マティッチが加入しているが、ダブルボランチの形でマティッチと組んだポグバ、フェライニ、エレーラはいずれもビルドアップもしくは守備の面で欠陥を露呈し、中盤を支配するほどの組み合わせとはならなかった。

その後にフレッジ&スコット・マクトミネイの時代がやってくるが、フレッジは運動量豊富な「8番」タイプであり、マクトミネイは守備的MFのポジションが本当に適正なのか、今でも疑問符が付くことがある。この2名もタックルとパスに優れたキャリックのようなタイプの選手のバックアップを受けてこそ輝くタイプだ。

2022年の夏にやってきたカゼミロはようやく待望のワールドクラスの6番かと思われたが、パフォーマンスが長続きしなかった。昨季はさすがのパフォーマンスでチームをリーグ3位とカラバオカップをもたらしたが、今季は衰えが指摘されている。新オーナーのサー・ジム・ラトクリフ氏は、すでに30歳となっていたカゼミロと交わした契約の内容を見て、眉をひそめたと言われる。

マンチェスター・シティのロドリやアーセナルのデクラン・ライスなど、このポジションに絶対的な選手がいるチームは安定感が違う。来季こそ、ユナイテッドはキャリックの後継者を見つけることができるだろうか。

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