ガスペリーニの凄さは戦術だけにあらず アタランタをEL制覇へ導いたメンタル強化のこだわり「上手くいけば何かが解き放たれる」

アタランタを指揮するガスペリーニ photo/Getty Images

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ルックマンのことも大きく変えてみせた

今季アタランタをヨーロッパリーグ制覇へ導き、大きく評価を伸ばしたアタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ。

3バックをベースに、マンマークを駆使した守備戦術を用いるなど戦術面で話題になることが多い指揮官ではある。そのアイディアは独特だが、ガスペリーニがアタランタで成功を収めている理由はそれだけではない。

伊『Gazzetta dello Sport』によると、ガスペリーニは常に選手のベストを引き出すことを目指していると語っており、選手のメンタリティを鍛える部分にも注力しているのだ。
「まず最初に、私の選手たちが才能に恵まれているということだ。私は誰かを変えることも、何かを加えることもできない。ただ彼らの中にあるものを引き出すだけだ。もともと強かった選手は、さらに強くなる。メンタリティを高めることが基本で、選手を納得させなければならない。何ヶ月もかかるかもしれないが、上手くいけば何かが解き放たれる」

その代表例と言えるのが、今季のEL決勝・レヴァークーゼン戦でハットトリックを記録したナイジェリア代表FWアデモラ・ルックマンだ。若い頃よりエヴァートン、ライプツィヒ、フラムなど5大リーグのクラブでプレイしてきた選手ではあるが、どこかポテンシャルを発揮できていないところがあった。

しかし、ガスペリーニはルックマンの中に秘められたものを上手く引き出したのだ。

「ルックマンは今やトップクラスの選手だが、以前はそうではなかった。彼は良い選手ではあったが、一瞬輝いたかと思えば、またある時は試合から消えてしまう傾向があった。それはチームトレーニングでも同じだ。私は粘り強く彼と仕事をしてきた。ここ数週間の彼のアクションには成熟ぶりを感じるよ。彼はボールに多く触れながらゲームに関与し、チームメイトとも連携できている」

ミランからレンタル移籍でやってきたベルギー代表FWチャールズ・デ・ケテラエルのことも巧みに成長させた。その仕事ぶりは名将と呼ぶにふさわしいもので、今季のEL制覇は決して偶然ではない。

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