サウスゲイト代表監督はパルマーをどう生かす? 未だ攻撃陣の最適解が見つからぬイングランド代表のジレンマ

代表ではどのように輝くのか photo/Getty Images

右サイドか10番か

EURO2024前最後の強化試合となったアイスランド代表との試合で0-1で敗戦したイングランド代表。

EURO本戦への不安の声もあがっている中、この試合でも存在感を見せたのがチェルシーのコール・パルマーだ。ハリー・ケインへの絶妙なクロスで決定機を作るなど随所で輝きを見せたが、英『Sky Sports』は「全員のコンディションが万全であれば、パルマーに居場所はあるのか」と綴る。

今シーズン、チェルシーで公式戦45試合で25ゴール15アシストを記録したパルマーは他のチームであればスタメン確約と言ってもいいだろう。チームの中心選手に据えてもいいほどの選手ではあるが、イングランド代表にはパルマーに劣らないスターがたくさんいる。
パルマーは右ウイングか10番のポジションでの起用が予想されるが、右ウイングにはブカヨ・サカ、10番のポジションにはジュード・ベリンガムがおり、その両方をこなせるフィル・フォーデンもいる。フォーデンは左サイドで起用される可能性もあるが、いずれにせよパルマーの主戦場には強力なライバルがいる。

それぞれ選手としての特性が違うため、様々な組み合わせを試していければベストだが、短期決戦となるEUROではそんな暇はない。未だ攻撃陣の配置の最適解は見つかっておらず、フォーデンとベリンガムの共存に加え、パルマーをどう生かすかはガレス・サウスゲイト監督にとって難しい問題であり、ジレンマに陥っていると同メディアは伝えている。

アイスランド戦ではパルマーを右、中央にフォーデン、左にアンソニー・ゴードンという配置でスタートしたが、代表OBのウェイン・ルーニーは『TNT Sports』にてハーフタイムに「イングランド代表は幅をとる必要があると思う。アンソニー・ゴードンは片側でよくやっているが、パルマーが頻繁に中に入ってくることで10番のエリアがとても混雑している」とコメントしている。ルーニーは攻撃陣のバランスの部分を指摘し、幅を広げて、相手ディフェンスラインの隙間を中央で作ることが大事だと語っている。

ピッチ中央に人が多すぎると、その分相手ディフェンスも集まってくるため、崩すのは難しくなる。そのため幅を生かすという意味では右はサカの起用がベストだろう。となると10番のポジションとなるが、そこにはベリンガムやフォーデンがいる。フォーデンを左に持っていき、ベリンガムを一列下げたり、IHとしてベリンガムとパルマーを併用する形もあるが、中盤にも多くの素晴らしい選手がいる。しかし今大ブレイク中のパルマーの才能を生かさない手はなく、どのように起用するかは今大会の見どころの1つであり、EURO制覇に向けてポイントとなるかもしれない。

スター選手揃いでかつ、複数ポジションができる選手が多数いる今のイングランド代表。悲願のEURO優勝を果たすためにはそのスターたちをどのように配置して、組み合わせるのか、サウスゲイトの手腕が重要になってくるだろう。

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