EUROはD組も『死の組』となる ライマー、ザビッツァーらラングニック率いるオーストリア代表は危険なダークホース候補だ

選手とコミュニケーションを取るラングニック(中央) photo/Getty Images

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ラングニックの哲学はオーストリアに合っている

2022年のワールドカップ・カタール大会出場を懸けた欧州予選にて、オーストリア代表はグループFで4位に終わり、ワールドカップ出場を逃した。デンマーク、スコットランド、イスラエル、モルドバ、フェロー諸島と同居したグループで4位だった事実には、サポーターもショックを受けたに違いない。

英『The Guardian』によると、オーストリアサッカー協会のペーター・シェッテルSDはこの予選敗退を受け、2022年の春にラルフ・ラングニックを指揮官に招聘することを決めたという。当時ラングニックは暫定的にマンチェスター・ユナイテッドを指揮していたが、決して上手くいっていたわけではない。その年の5月にはマンUとの契約を解除し、オーストリア代表の正式な指揮官となった。

同メディアは、ラングニック招聘の判断は正しいものだったと主張している。ラングニック率いるオーストリアはEURO2024予選で6勝1分1敗ときっちり結果を出し、本大会出場権を掴んだ。ひとまずラングニックはEURO本大会出場という形で結果を残すことができた。
今のチームについて同メディアは「ラングニックの哲学はオーストリアのチームにぴったりだ。素早い攻守の切り替え、相手を追い込むカウンタープレスと、選手たちは自分の役割とやるべきことを知っている」と評価する。

ホッフェンハイムMFフロリアン・グリリッチュ、ドルトムントMFマルセル・ザビッツァー、バイエルンMFコンラッド・ライマー、ライプツィヒMFニコラス・サイヴァルトなど中盤にはラングニックの指示を遂行するファイターたちが揃っていて、ブンデスリーガ組を多く擁するオーストリアは油断ならないチームだ。

前線には経験豊富なインテルFWマルコ・アルナウトビッチ、フライブルクFWミヒャエル・グレゴリッチュがおり、絶対的リーダーのダビド・アラバを怪我で欠きながらも興味深いチームに仕上がっている。

EURO2024ではグループDに入っていて、17日にフランス代表との初戦を迎える予定だ。このグループDはオランダ、ポーランドも同居しており、16日に行われたオランダVSポーランドはオランダが2-1で勝利している。

今大会ではイタリア、スペイン、クロアチア、アルバニアが入るグループBを『死の組』と表現する声が目立つが、オーストリアのいるグループDもなかなか厄介な組と言えよう。ラングニックの戦術がピタリとハマれば、オランダとフランス相手にも接戦へ持ち込めるはずだ。

オーストリアをダークホースと見る向きもあるようだが、初戦から優勝候補に挙げられるフランスを苦しめられるのか。このグループはサプライズが起きても不思議ではない。

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