組織でも個でも上回ったスペインが勝利　グループB勝ち抜けが決定！

グループB・第2戦
スペイン 1-0 イタリア

共に初戦を勝利したスペインとイタリアが激突。

この一戦は、強豪が集まるグループBの大一番と注目され、ポゼッションサッカーを得意とする強豪国同士の戦いとなった。

試合開始直後からスペインが主導権を握りいきなりチャンスを作る。左サイドを突破したニコ・ウィリアムズのクロスを、フリーのペドリがヘディングでシュートを放つ。ボールは枠を捉えたが、イタリアの守護神ジャンルイジ・ドンナルンマがジャンプして弾き、このピンチを救う。スペインは出力全開で続けざまに攻撃を仕掛ける。両サイドを巧みに使い、左はウィリアムズ、右はラミン・ヤマルがどんどん仕掛け、サイドを攻略しにかかる。そして9分には、左に流れたアルバロ・モラタから鋭いクロスが上がり、フリーのウィリアムズが頭で合わせるもボールは枠外へ飛んだ。

イタリアは時折、パスを繋いで攻撃の糸口を探るも、スペインのハイプレスに阻まれてなかなかリズムが作れない。スペインがボールを奪えば、パス回しやドリブルの巧さにイタリアは既に防戦一方の様相を呈す。

20分過ぎには、モラタがエリア内からシュートを放ち、ファビアン・ルイスが遠めから弾丸シュートを打つ。両方とも枠を捉えていたが、ドンナルンマがまたもや好セーブを見せる。

ただ徐々にイタリアもボール持つ時間が増えていくが、徹底したスペインのハイプレスも緩むことはない。イタリアの攻撃は途中で刈り取られ、シュートまでが程遠い。それを嘲笑うかのようにスペインは個々の技術でイタリアの守備を悉くかい潜り、高い確率でフィニッシュまで持っていく。得点の匂いはするが、イタリアDFも危機一髪のところで体を張って失点だけは許さない。

すると前半終了間際、この試合初めてイタリアがチャンスを作る。ジャンルカ・スカマッカが中央で起点になるとカウンターを発動。ニコロ・バレッラが受け取り、右に走り込んだフェデリコ・キエーザへ渡すと、そのまま駆け上がりミドルシュート。しかしボールは大きく枠をはずれ、得点は奪えない。そのまま前半はスコアレスで折り返す。

イタリアは後半開始からメンバーチェンジを決断。ダビデ・フラッテージを下げてアンドレア・カンビアーゾ、ジョルジーニョを下げてブライアン・クリスタンテを投入する。

しかし流れは変えられない。スペインが試合を支配する時間が続く。51分には左サイドを深くまで走り込んだマルク・ククレジャにパスが通り、すかさず中に折り返すと、それを待ち構えていたペドリがダイレクトで合わせる。だがこれは枠を捉えられない。

すると55分、再び左サイドを深くまでドリブル突破したウィリアムズが速いクロスを上げる。それをモラタが頭でそらしたところ、ドンナルンマが弾くと、なんとそれが運悪くリッカルド・カラフィオーリに当たりオウンゴールとなってしまう。1－0、遂に均衡が破れスペインがリードを奪う。

そして得点を奪った後も、スペインは全く流れを譲らない。55分過ぎにはモラタとヤマルのミドルシュートが火を吹くが、追加点にはつながらなかった。

イタリアは、ここでこの試合ほとんど仕事をさせてもらえなかったキエーザとスカマッカの前線2人を諦め、マテオ・レテギとマッティア・ザッカーニを投入し、試合を動かしにかかる。

すると65分、後半開始からピッチに立つフレッシュなクリスタンテが1人で右サイドの突破に成功。スペインDFを置き去りにしてクロスを上げ、ゴール前にはレテギが勢いよく走り込んでくるも合わない。スペインは疲労からかハイプレスの勢いが弱まり、反対にイタリアはその隙に乗じて元気な2人がチャンスを作った。

だがスペインも攻撃になると相変わらずの巧さで敵陣深く侵入していく。70分には左サイドのウィリアムズが個人技で魅せる。カットインから右足を振り抜くと、鋭いシュートがゴールバーを叩き、天を仰ぐ。スペインは直後に、流れをイタリアに渡さないようペドリとヤマルの若い2人を下げ、フェラン・トーレスとアレックス・バエナを投入し、78分にはモラタとウィリアムズの2人を交代し攻撃陣をリフレッシュさせた。

81分にイタリアは、司令塔のロレンツォ・ペッレグリーニを下げ、ジャコモ・ラスパドーリを投入するも流れを変えるには及ばない。スペインはアディショナルタイムにも決定的なチャンスを2度作ったが、いずれもドンナルンマの神がかりセーブに遭い追加点とはならなかった。そして試合は1-0のままタイムアップ。スコアは僅差だったがスペインが終始圧倒した。実力の差を見せつた試合内容だった。これでスペインは2勝目を挙げ、グループリーグ突破を決めた。

［スコア］
スペイン 1−0 イタリア


［得点者］
スペイン
55分 OG

イタリア
なし

［ラインナップ］
スペイン
監督：ルイス・デ・ラ・フエンテ

GK
ウナイ・シモン（アスレティック・ビルバオ）

DF
ダニエル・カルバハル（レアル・マドリード）
ロビン・ル・ノルマン（レアル・ソシエダ）
アイメルク・ラポルテ（アル・ナスル）
マルク・ククレジャ（チェルシー）

MF
ロドリ（マンチェスター・シティ）
ペドリ（バルセロナ）
ファビアン・ルイス（パリ・サンジェルマン）

FW
ラミン・ヤマル（バルセロナ）
アルバロ・モラタ（アトレティコ・マドリード）
ニコ・ウィリアムズ（アスレティック・ビルバオ）

交代出場・退場
71分 ペドリ→アレックス・バエナ（ビジャレアル）
71分 ヤマル→フェラン・トーレス（バルセロナ）
78分 ウィリアムズ→アジョセ・ペレス（ベティス）
78分 モラタ→ミケル・オヤルサバル（レアル・ソシエダ）
94分 ルイス→ミケル・メリーノ（レアル・ソシエダ）

イタリア

監督：ルチアーノ・スパレッティ

GK
ジャンルイジ・ドンナルンマ（パリ・サンジェルマン）

DF
ジョヴァンニ・ディ・ロレンツォ（ナポリ）
フェデリコ・ディ・マルコ（インテル）
リッカルド・カラフィオーリ（ボローニャ）
アレッサンドロ・バストーニ（インテル）

MF
ダビデ・フラッテージ（インテル）
ジョルジーニョ（アーセナル）
ロレンツォ・ペッレグリーニ（ASローマ）
ニコロ・バレッラ（インテル）

FW
ジャンルカ・スカマッカ（アタランタ）
フェデリコ・キエーザ（ユベントス）

交代出場・退場
45分 フラッテージ→アンドレア・カンビアーゾ（ユベントス）
45分 ジョルジーニョ→ブライアン・クリスタンテ（ASローマ）
64分 キエーザ→マッティア・ザッカーニ（ラツィオ）
64分 スカマッカ→マテオ・レテギ（ジェノア）
82分 ペッレグリーニ→ジャコモ・ラスパドーリ（ナポリ）