C・ロナウドはベンチかスタメンか? ポルトガルで広がる論争

チェコ戦に出場したC・ロナウド photo/Getty Images

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大ベテランとなったスーパースター

ポルトガルサッカー界を背負い続けてきたレジェンドであるクリスティアーノ・ロナウドは前回のワールドカップを最後に代表チームでの国際サッカー界から引退すると思われていた。しかし、ポルトガルの超人は依然として代表チームに絶大な影響力を持ち、ドイツで開催されているEURO2024で大会史上最多となる6度目の出場を果たしている。

現在39歳のC・ロナウドはポルトガル代表監督のロベルト・マルティネスに代表キャップ250を達成することが目標だと語っており、EURO2024のチェコ戦(2-1でポルトガルが勝利)で208キャップとしている。しかし、それを達成するためには、ポルトガルはC・ロナウドがいなくてもうまくいくという考えが広まりつつある母国のファンからの疑念を晴らさなければならないようだ。

『CNN Portugal』、『DAZN Portugal』、『TSF radio』でサッカー解説者を務めるソフィア・オリヴェイラ氏は『BBC Sport』で「正直なところ、ベンチからの出場の方が彼のインパクトは大きいと思う」と語った。
「ロナウドがチーム内にいることで、周りの選手たちがロナウドの存在に振り回されているのは明らかだ。そして、ロナウドがボールを持っていない時間を長く取りたがらないため、他の選手がいるエリアまで戻ってくる」

「ロナウドが可能な限り多くの時間をプレイし、最終的にゴールネットを揺らした姿は何度も見てきたが、最近の彼のプレイを細かく見ていくと、ポジティブなプレイよりもネガティブなプレイの方が多かった」

また、ポルトガル『A Bola』紙は「ロナウド不在がこのチームの常態となるタイミングはいつなのか」とC・ロナウド抜きでより良いプレイをするかどうかではなく、常にそうあるべきだという主張をしている。

それでも、C・ロナウドはチーム内から絶大な信頼を置かれていることには間違いない。チェコ戦前夜の会見で、ルベン・ディアスは「彼が我々と一緒に戦ってくれるのは嬉しいことだ」と語っている。

「ベテラン選手と若手選手のミックスで経験を積んでいる。私たちは皆、それぞれのクラブで経験を積み、このような大会に備えている。EUROのような大会では、チームスピリットを高めなければならない」

「その中でクリスティアーノの存在は、夢を見て偉大なことを成し遂げることは可能だという考えを体現している。彼が我々と一緒に戦ってくれるのは嬉しいことだ。私が述べた大小様々なすべてを超えて、彼がキャリアのこの段階で我々と一緒にいてくれることは重要なことだ」

そして、マルティネス監督は「彼(C・ロナウド)はエリートレベルの考え方を持っているし、限界もない」と強調し、C・ロナウドもまた「プレイするかしないかにかかわらず、監督の決断を尊重する」と語っており、選手と監督の間にも強い信頼関係があることが伺える。

EURO予選でC・ロナウドは、ベルギー代表のロメル・ルカクに次ぐ10得点で得点ランキング2位、チーム内の出場時間はルベン・ディアス、ブルーノ・フェルナンデスに次いで3番目に多い725分とポルトガル代表において絶対的な存在であることを示している。

スーパースターとしてこれまで多くの批判にさらされてきたC・ロナウドだが、その度にこうした逆境を乗り越えて現在の地位を確立してきた。大ベテランとして迎える今大会ではどのようなパフォーマンスを披露するのか注目を集めるところだ。

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