ヤマル、ギュレル、ムシアラ、ベリンガムたち若手がとんでもない…… ヤングスターたちがEUROで示す“サッカー新時代”

スペイン代表の右サイドを支配するヤマル photo/Getty Images

今後10年間をリードするであろう逸材たちの競演

今回のEURO2024では、サッカー界の新時代を感じさせるヤングスターたちの躍動が目立っている。

1.フロリアン・ヴィルツ&ジャマール・ムシアラ(ドイツ代表)

まず開催国のドイツ代表では、21歳のMFフロリアン・ヴィルツと21歳のMFジャマール・ムシアラだ。今回のドイツはGKマヌエル・ノイアー(38)やMFトニ・クロース(34)など全体的にベテランの目立つ構成ではあるが、その中で主役級の輝きを放つのがヴィルツ&ムシアラのコンビで、今後10年はドイツの前線を引っ張っていくコンビとなるのではないか。両者とも抜群のテクニックを誇り、特にムシアラのドリブルは制御不能だ。

2.ジュード・ベリンガム(イングランド代表)

チームはやや微妙な戦いぶりとなっているが、イングランド代表では20歳のMFジュード・ベリンガムが第1節のセルビア戦で圧巻のパフォーマンスを見せた。ピッチの至る所に顔を出し、攻守両面でフル稼働。1人でピッチを支配しており、その柔らかいボールタッチについて試合後には『イングランドのジダン』なんて声もサッカーファンから挙がっていた。20歳とは思えぬ落ち着きとリーダーシップがあるのも特長的で、1人だけ貫禄が違う。ただ上手いだけの若手とは違い、不思議なオーラを纏った異質な選手と言える。

3.ラミン・ヤマル&ニコ・ウィリアムズ(スペイン代表)

クロアチア、イタリア、アルバニアと同居する死のグループBで2連勝を飾ったスペインでは、若き両翼が目立っている。右には16歳のヤマル、左には21歳のウィリアムズだ。両者とも抜群の突破力を誇っており、ヤマルに関しては大会に学校の宿題を持ち込んでいる16歳の学生でもあるというのだから驚きだ。

仮にヤマルがこのまま順調にキャリアを過ごすとなれば、スペインは今後15年近くヤマルを攻撃の中心に据えることが可能となる。さらに得点力に磨きがかかれば恐ろしいアタッカーとなるに違いない。

スペインの場合はMFペドリもまだ21歳と若く、負傷で参加していないバルセロナMFガビも19歳だ。若手の実力で言えば、現在世界で最も豪華なチームかもしれない。

ギュレルはジョージア戦で強烈なミドルシュートを決めた photo/Getty Images

最近は10代から活躍する選手も増えている

4.アルダ・ギュレル(トルコ代表)

グループステージ第1節のジョージア戦で決勝ゴールを奪ったのがギュレルだ。右サイドからお得意の左足を振り抜いたミドルシュートはファーサイドに突き刺さり、今大会のベストゴール候補になるであろう一撃だった。

すでに所属するレアル・マドリードでも存在感を放ち始めていて、まだ19歳と将来への期待は大きい。トルコではユヴェントス所属の19歳FWケナン・ユルディズも奮闘していて、攻撃陣ではフレッシュな若手が目立っている。

5.ベンヤミン・シェシュコ(スロベニア代表)

まだゴールを決めたわけではないが、21歳のシェシュコはスロベニアの前線で強烈な存在感を放っている。ライプツィヒで今季リーグ戦14ゴールを挙げた実力は本物で、195cmのサイズを活かしてボールを収めることもできる。足下のテクニックも柔らかく、剛と柔を兼ね備えたセンターフォワードと言える。初戦のデンマーク戦ではポスト直撃の強烈なシュートもあり、ポテンシャルは凄まじいものがある。スロベニアのズラタン・イブラヒモビッチという表現も大袈裟ではないか。

6.シャビ・シモンズ(オランダ代表)

惜しくもオフサイドの判定で取り消されたが、21日に行われたグループステージ第2節のフランス戦では地を這う強烈なシュートでネットを揺らしてみせた。現在21歳を迎えたシモンズは10代の頃から有名な存在だったが、今大会はオランダ代表のスタメンに入っている。今季はシェシュコと同じライプツィヒで成長を遂げており、ここまでのキャリアは順調と言えるのではないか。

メンフィス・デパイ、コーディ・ガクポらとの連携も面白いポイントで、ここからの10年はシモンズがオランダ攻撃陣の主役となっていくべきだろう。


彼らの活躍は新時代を感じさせるものがあり、10代から平気で活躍する猛者がいるのも頼もしい。この中から次の10年を引っ張っていくスターが出てくるはずで、グループステージからヤングスターが躍動している。

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