EURO2024のグループステージの戦いを2試合終えて、1勝1分のイングランド代表。
首位をキープしてはいるものの、ここまでの戦いには批判が集まっており、大会屈指のアタッカーを擁するイングランドの攻撃は未だ影を潜めている。そんななか、英『Sky Sports』は後方からの繋ぎが少ないことに注目し、「懸念されるのはイングランドのビルドアップの問題が、彼らのゴールキーパーから始まっていることだ」と綴る。
1-1のドローに終わったデンマーク戦のあと、サウスゲイト監督はインタビューの一部で「我々はボールキープが十分ではない。もっとボールをキープし、よりコントロールしてプレイしなければならない。 そうすれば、守備に回ることも少なくなり、自信も持てるようになるだろう」と、ボール保持の時間を増やすことが大事だと語っていた。
確かにマンチェスター・シティやアーセナルなどポゼッションを得意とするチームのレギュラーがイングランドにはいるが、ここまでの2試合は相手とほぼ互角のポゼッションを記録している。そんななか、同メディアが注目したのはGKジョーダン・ピックフォードだ。
イングランドの守護神ピックフォードはここまでGKとしては今大会最多となる27本のロングボールを記録しているという。エヴァートンでは同選手のロングボールは武器の1つではあるが、EUROでは相手にボールを渡す原因の1つになっていると同メディアは伝えている。
パスを繋ぐことを得意としないピックフォードはボールを持った際に降りてきたライスやフォーデン、またはA・アーノルドといった選手にボールをつけるのではなく、ロングボールをチョイスしがちだ。確かにケインというロングボールを収めることができる選手はいるが、パスを繋ごうとして2列目の選手たちが降りてきているため、ケインがボールを収めたとしても孤立してしまう。またセルビア戦ではことごとく跳ね返され、再び守備に回るという時間も少なくなかった。
もちろんGKからのロングボールが悪いわけではない。しかし降りてきたライスやフォーデンがピックフォードがロングボールを選択した時に首をかしげたり、ジェスチャーを交えて不満を露わにするシーンも多く、そこは気になるところだ。
ポゼッションとロングボールのどちらか片方に戦い方を絞る必要はないが、選手間での意思の疎通は欠かせなくなってくる。ここはサウスゲイト監督も介入して、整備しなければならないところだろう。ピッチ上でそれぞれの選手たちが迷いながらプレイしているように見えるイングランド代表だが、解決策を見つけることはできるのか。