グループF・第3戦
ジョージア 2-0 ポルトガル
グループリーグ突破に向けて勝利が絶対条件のジョージアと既に勝ち抜けを決めているポルトガルが相見えた。
ジョージアは初戦のトルコ戦と同様に5バックのフォーメーションを選択。前線はナポリのドリブラー、クビチャ・クワラツヘリアと2試合連続得点中のジョルジュ・ミカウターゼの2トップだ。一方、ポルトガルは主力の大部分を温存。ただエースのクリスティアーノ・ロナウドはこの日もスターティングメンバー入りし、その相棒には今大会初出場となるジョアン・フェリックスの名前が挙がった。また初戦のチェコ戦で値千金の決勝点をマークしたチコ・コンセイソン、その決勝点をアシストしたペドロ・ネトなども先発に選ばれ、主力メンバーに勝るとも劣らない攻撃的な布陣で挑んだ。
すると開始2分、いきなり試合が動く。ポルトガルが最終ラインでパス回しを試みるも、誤って相手チームのFWミカウターゼにボールを渡してしまい、カウンターのピンチを招く。ミカウターゼがこれをドリブルで運び、快足を飛ばすクワラツヘリアへ素早くスルーパスを送ると、GKと1対1の状況に。そして冷静に左足を振り抜いて、ゴール右のサイドネットにボールを突き刺した。
開始早々に失点したポルトガルだったが、その後はボールを保持する時間が続く。ジョージアは全員が自陣に引いて守りを固め、球際の激しさでボールを奪取しては幾度かカウンターを仕掛けていく。
16分、そのジョージアのディフェンスの激しさがファールを誘い、ポルトガルがゴール正面でフリーキックのチャンスを獲得する。距離は約25m、キッカーはロナウド。そして弾丸のような速さの無回転シュートが枠を捉えるが、ジョージアのGKがなんとかこれを弾いてゴールを死守する。ポルトガルはその後もチャンスを作り続け、ジョアン・フェリックスやロナウドなどのシュートで相手ゴールを脅かすが得点ならず。前半は1-0、ジョージアのリードで折り返す。
後半はジョージアにメンバー交代はなく、ポルトガルはジョアン・パリーニャに替えてルベン・ネベスを投入する。前半に続いてポルトガルの攻勢が続くが、ジョージアもただ押し込まれているだけではなく、闘志を見せて果敢にボール奪取を試みる。すると50分過ぎにジョージアがカウンターからチャンスを作る。左からペナルティエリア内に侵入したルカ・ロホシヴィリが倒されPKを獲得。これをキッカーのミカウターゼが決め、リードを2点にした。
60分を超えると両チームともメンバー交代を行い、攻防が激しさを増す。ポルトガルは66分にロナウドを下げてゴンサロ・ラモスを入れ、シウバからネルソン・セメドに替えて、彼のサイドからの攻撃参加に期待をかける。さらに75分にはネトからディオゴ・ジョタへ、ジョアン・ネベスからマテウス・ヌネスへと切り替え、攻撃陣をリフレッシュさせて得点を奪いにいく。
ポルトガルは再三、攻め手を探りパスを回してはスペースの無い中央を避け、サイドからのクロスで打開を試みる。しかしジョージアのディフェンスが堅く、悉く跳ね返す。そのジョージアはボールを奪うと、それに対し前がかりになってプレスに躍起になるポルトガルのディフェンスをうまく剥がし、手数をかけずにカウンターを発動する。しかしこちらも追加点とはならない。
試合は後半アディショナルタイムに突入。ポルトガルはセメドやジョタがゴール前で決定的なチャンスを作るも、あと一歩のところで得点が奪えない。そしてそのままタイムアップとなり試合終了。ジョージアが見事にジャイアントキリングを果たし、グループリーグ3位でラウンド16への進出を決めた。ポルトガルは負けはしたものの、得失点差でトルコに勝り、グループFを首位通過した。
[スコア]
ジョージア 2−0 ポルトガル
[得点者]
ジョージア
2分 クヴィチャ・クワラツヘリア
57分 ジョルジュ・ミカウターゼ
ポルトガル
なし
[ラインナップ]
ジョージア
監督:ウィリー・サニョル
GK
ギオルギ・ママルダシュヴィリ(バレンシア)
DF
オタル・カカバーゼ(クラコヴィア)
ラシャ・ドバリ(APOEL)
グラム・カシア(スロヴァン・ブラティスラヴァ)
ルカ・ロホシヴィリ(クレモネーゼ)
ギオルギ・グヴェレシアーニ(ペルセポリス)
ギオルギ・ゴチョレイシュヴィリ(シャフタール・ドネツク)
MF
ギオルギ・チャクヴェターゼ(ワトフォード)
オタル・キテイシュヴィリ(シュトルム・グラーツ)
FW
クヴィチャ・クワラツヘリア(ナポリ)
ジョルジュ・ミカウターゼ(メス)
交代出場・退場
63分 ロホシヴィリ→ギオルギ・ツィタイシュヴィリ(ディナモ・バトゥミ)
76分 グベレシアーニ→サバ・クビルクベリア(アル・ウフドゥード)
81分 チャクベターゼ→アンゾル・メクヴァビシュヴィリ(ウニベルシタテア・クライオヴァ)
81分 クワラツヘリア→ズリコ・ダヴィタシュヴィリ(ボルドー)
ポルトガル
監督:ロベルト・マルティネス
GK
ディオゴ・コスタ(ポルト)
DF
ディオゴ・ダロト(マンチェスター・ユナイテッド)
アントニオ・シウバ(ベンフィカ)
ゴンサロ・イナシオ(スポルティングCP)
ダニーロ・ペレイラ(パリ・サンジェルマン)
MF
ジョアン・パリーニャ(フラム)
ジョアン・ネベス(ベンフィカ)
ペドロ・ネト(ウォルヴァーハンプトン)
FW
クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)
ジョアン・フェリックス(バルセロナ)
チコ・コンセイソン(FCポルト)
交代出場・退場
45分 パリーニャ→ルベン・ネベス(アル・ヒラル)
66分 ロナウド→ゴンサロ・ラモス(パリ・サンジェルマン)
66分 シウバ→ネルソン・セメド(ウォルヴァーハンプトン)
75分 ネト→ディオゴ・ジョタ(リヴァプール)
75分 ジョアン・ネベス→マテウス・ヌネス(マンチェスター・シティ)