明確な哲学はないが最後にはイングランドが勝つ まるでFA杯のマンチェスター・ユナイテッド!?

サウスゲイトはタイトルをもたらすことができるのか photo/Getty Images

組み合わせも幸運だ

EURO2024で決勝トーナメント進出を決め、ラウンド16でスロバキア代表と対戦するイングランド代表。しかし、期待されていたほどのクオリティを示すことができておらず、国内ではひっきりなしに批判の声が上がっている。フィル・フォーデンとジュード・ベリンガムの併用問題、トレント・アレクサンダー・アーノルドの使い方、消えるハリー・ケイン、全体的な連携の乏しさなど課題は山積みになっている。

しかし、それでもイングランドはトーナメントを勝ち上がっていくだろうというのが大方の見方であることも確かだ。トーナメントでは幸運が味方し、ドイツ、フランス、スペインといった優勝候補はことごとく反対側の山に配置された。ラウンド16はE組3位のスロバキア、勝てばスイス×イタリアの勝者と対戦するが、イングランドはスイスとの対戦で1981年以降負けていない。イタリアも前回にも増して小粒な印象で、前回大会決勝のリベンジには格好のタイミングであるように思える。

英『Mirror』で元ウェールズ代表のロビー・サベージ氏は、現在のイングランドはマンチェスター・ユナイテッドのようだと綴っている。

「イングランドの試合を観ると、エリック・テン・ハーグのマンチェスター・ユナイテッドを観るのと同じ気持ちになる。ピッチ全体にクオリティがあるが、彼らのプレイスタイルには明確な哲学が込められていない」

「FAカップ決勝では、ほとんどの中立派が諦めていたテン・ハーグのユナイテッドが(マンチェスター・シティに)勝利した。おそらくサウスゲイトのイングランドは決勝トーナメントで本領を発揮するだろう」

ユナイテッドもFA杯のトーナメントでは準々決勝でリヴァプールを延長戦の末に、準決勝ではコヴェントリーをPK戦の末に破って決勝まで進出した。特に準決勝は実質2部のクラブを相手に辛勝もいいところだったが、それでも勝ち上がっていく不思議な力がユナイテッドにはあった。そして決勝戦、誰もがマンチェスター・シティの勝利を予想するなかで、それをひっくり返してみせたのだ。

サベージ氏はこれと同じようなことがEUROの決勝トーナメントで起こると予想している。ガレス・サウスゲイト監督は58年ぶりの国際タイトルをサッカーの母国にもたらすことができるのか、可能性としては決して低くないはずだ。


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