決勝トーナメント・ラウンド8
スペイン 2-1 ドイツ
EURO2024決勝トーナメント・ラウンド8。スペイン代表と開催国ドイツ代表、優勝候補同士の対戦となった。
事実上の決勝戦とも言われるこのカード、立ち上がりからスペインが得意のパスワークでシュートまで持ち込み、ドイツゴールを襲う。しかしクロースとの交錯で膝下を痛めたペドリがいきなり負傷交代となり、8分にスペインはオルモを投入することになる。
両チームともに球際厳しく、激しいゲームとなった前半。15分にはオルモがリュディガーと交錯し得たFKから、ヤマルがゴール右ギリギリの惜しいキックを放つ。21分にはドイツにチャンス。右のキミッヒから入ったクロスをハフェルツが頭で合わせるが、ここはGKシモンが落ち着いてセーブした。
30分あたりからはドイツがボールを持ち、スペインがカウンターを狙うような構図となるが、決定的なシーンはなかなか訪れない。35分にも長いボールを収めたハフェルツがシュートを放つが、コースが甘くまたもシモンにセーブされる。
39分にはオルモのミドルシュートをノイアーが弾いたところにモラタが詰めるが、シュートに持ち込むことができない。お互いにチャンスは少なくない試合展開だったが、前半はスコアレスで終了した。
状況を打開したい両監督は選手を入れ替えて後半へ。スペインはル・ノルマンに代えてナチョ、ドイツはチャンに代えてアンドリヒ、サネに代えてヴィルツをピッチに送り込む。47分にはスペインに決定機。ニコ・ウィリアムズから逆のヤマルまでボールが渡ると、ヤマルは中央のモラタへ。モラタは反転してシュートを放ちドイツゴールを脅かす。
そして51分に、ついにスペインが試合を動かした。ヤマルが右から中央に低いクロスを送ると、モラタの背後から走り込んできたオルモが合わせて、ボールはゴール左隅へ。開催国相手に大きな先制点を手にする。
1点を追うドイツは攻撃的SBのミッテルシュタット、そして今大会2得点のフュルクルクを投入し巻き返しを図る。サイドから入るクロスが増えていき、ドイツの攻撃は勢いを増していくが、それでもスペインゴールを割ることはできない。71分にもハフェルツの決定機にカルバハルが滑り込んでブロックし、ゴールを許さない。
77分にもフュルクルクが右からのクロスに倒れ込みながら合わせるが、ナチョの必死のディフェンスもあり右ポストを直撃。1点がほしいナーゲルスマン監督は80分にターを下げて、ミュラーをピッチに送り込む。
83分のハフェルツのループシュートも決まらず、残り時間が少なくなるにつれて焦れていくドイツ。86分にもFKから再びハフェルツが頭で合わせるが、これもシモンに阻まれてゴールならず。しかしついに89分、ドイツが追いつく。左からの高いボールをキミッヒが頭で折り返し、ヴィルツが蹴り込んで土壇場でスコアをイーブンに戻した。
迎えた延長戦、ドイツはハフェルツに代えてアントンを入れ、センターバックに緊急的に入っていたアンドリヒを中盤に戻す。
ボールを持つのはスペイン。少ないタッチでパスを回しドイツの隙をうかがっていく。しかし中盤の要ファビアンが足を痛め、デ・ラ・フエンテ監督はストライカーのホセルを投入。勝負を決めにいく。延長前半終了間際にはヴィルツがきわどいシュートを放つが、これは右にわずかに外れた。
延長後半117分にはキミッヒのパスにフュルクルクが飛び込むが、これもシモンがビッグセーブ。刻々とタイムアップが近づくなか、119分に再びスコアを動かしたのはスペイン。オルモのクロスに、ミケル・メリーノが飛び込んで頭で合わせゴールを決め、劇的な勝ち越し点を手にした。終了間際にドイツは猛攻を見せ、カルバハルを退場に追い込むも実らず激闘は決着。スペインが開催国ドイツを破ってセミファイナル進出を決めた。
[スコア]
スペイン 2-1 ドイツ
[得点者]
スペイン
51分 ダニ・オルモ
119分 ミケル・メリーノ
ドイツ
89分 フロリアン・ヴィルツ
[ラインナップ]
スペイン
監督:ルイス・デ・ラ・フエンテ
GK
ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)
DF
マルク・ククレジャ(チェルシー)
アイメリック・ラポルト(アル・ナスル)
ロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ)
ダニエル・カルバハル(レアル・マドリード)
MF
ロドリ(マンチェスター・シティ)
ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン)
ペドリ(バルセロナ)
FW
ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)
ラミン・ヤマル(バルセロナ)
アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)
交代出場・退場
8分 ペドリ→ダニ・オルモ(ライプツィヒ)
46分 ロビン・ル・ノルマン→ナチョ・フェルナンデス(レアル・マドリード)
62分 ラミン・ヤマル→フェラン・トーレス(バルセロナ)
80分 ニコ・ウィリアムズ→ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)
80分 アルバロ・モラタ→ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)
102分 ファビアン・ルイス→ホセル(レアル・マドリード)
監督:ユリアン・ナーゲルスマン
GK
マヌエル・ノイアー(バイエルン)
DF
ダビド・ラウム(ライプツィヒ)
ヨナタン・ター(レヴァークーゼン)
アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード)
ジョシュア・キミッヒ(バイエルン)
MF
トニ・クロース(レアル・マドリード)
エムレ・チャン(ドルトムント)
イルカイ・ギュンドアン(バルセロナ)
ジャマル・ムシアラ(バイエルン)
レロイ・サネ(バイエルン)
FW
カイ・ハフェルツ(アーセナル)
交代出場・退場
46分 エムレ・チャン→ロベルト・アンドリヒ(レヴァークーゼン)
46分 レロイ・サネ→フロリアン・ヴィルツ(レヴァークーゼン)
57分 ダビド・ラウム→マクシミリアン・ミッテルシュタット(シュツットガルト)
57分 イルカイ・ギュンドアン→ニクラス・フュルクルク(ドルトムント)
80分 ヨナタン・ター→トーマス・ミュラー(バイエルン)
91分 カイ・ハフェルツ→ヴァルデマール・アントン(シュツットガルト)
※カッコ内は23-24所属クラブ