イングランド戦の前に負傷していた…… 限界の中ジャカが戦った120分 「ロングボールを蹴ることも、ゴールにシュートを撃ち込むこともできなかった」

スイス代表を引っ張ったジャカ photo/Getty Images

延長戦まで戦う

EUROラウンド8でイングランドと対戦し、PK戦の末に敗れたスイス。そのスイスの中心人物であるグラニト・ジャカはこの試合負傷しながら戦っていたようだ。

この試合もスタメンフル出場を果たしたジャカはイタリア戦の後、内転筋の違和感でMRI検査を受け、その結果が異常なかったことをスイスサッカー協会の広報担当者が報告していた。しかし、やはりジャカは怪我していたようで、イングランドとの試合後にロングボールやシュートを打てなかったことを認めた。英『Daily Mail』が報じている。

「月曜日に内転筋の筋繊維が断裂していると診断された。でもチームのために歯を食いしばって頑張りたいと思ったんだ。試合中はロングボールを蹴ることも、ゴールにシュートを撃ち込むこともできなかった。しかし、それ以外は問題なかった。今日も自分の限界を超えてしまった」

23-24シーズンよりアーセナルからレヴァークーゼンに移ったジャカは公式戦50試合に出場し4ゴール2アシストを記録。リーグ戦無敗優勝を果たしたシャビ・アロンソのチームで欠かせない役割を担った。この疲労も負傷に関係しているかもしれないが、イタリア戦で負傷したことをスイス指揮官のムラト・ヤキン監督はイングランドとの試合後に明かしており、120分プレイできたことは「奇跡だ」と語っていた。

テーピングを巻きながらプレイしたジャカだが、この試合でもゲームをコントロールしてイングランドを苦しめた。この試合でも存在感抜群だった同選手はPK戦での敗戦に悔しさを滲ませながらもここまでのスイスの戦いに誇りを持っているとも話した。

「PK戦で敗退することほど残酷なことはない。しかし、我々はできる限りのことをした。 私はチームを誇りに思うし、スイスとドイツの皆さんに喜びをお届けできたことを誇りに思う。それが私たちの目標だった。最終的には、イングランドのほうが精神力が優れていた」

初のベスト4進出は叶わなかったが、グループステージで開催国ドイツと引き分け、ラウンド16で前回王者イタリアを撃破したスイスは今大会屈指の完成度を誇るチームだったと言える。そのチームを中盤で支えたのがジャカであり、彼なしではここまでのサッカーを見せることはできなかっただろう。


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