ムバッペはW杯&EUROの両方を手にできるか EUROは4年後が全盛期で迎える最後の大会かもしれない「今大会の彼とフランスは失敗した」

今大会は鼻骨を痛めるアクシデントもあった photo/Getty Images

EUROは前回に続いて消化不良な結果に

ディディエ・デシャン率いる今のフランス代表は、得点部分でエースのキリアン・ムバッペに依存しているところがある。ムバッペは2022ワールドカップ・カタール大会でも8ゴールを奪っていたが、フィニッシュの部分でどうムバッペを活かすかがフランス代表のカギだ。

ただ、EURO2024でのムバッペは明らかに状態が良くなかった。グループ初戦のオーストリア戦で鼻骨骨折のアクシデントがあったのは確かだが、不調の原因はそれだけではないだろう。今大会はPKからの1ゴールしか奪えず、フランスは攻撃が機能しないまま準決勝でスペインに敗れた。

ムバッペはすでに2018年にワールドカップのタイトルを手にしており、フランスサッカー界としてはムバッペを軸にEUROのタイトルもゲットしたい。しかし今大会は失敗に終わり、『ESPN』は4年後のEURO2028がムバッペにとってピークの状態で戦える最後のEUROになるかもしれないと伝えている。

「今大会は彼の大会であるべきだった。彼は大会の顔であり、大会に臨む世界最高の選手だった。しかし彼とフランスは失敗した。鼻の骨折が状況を変えたのは確かだ。手術は回避したが、フェイスマスクには慣れることができなかっただろう。しかし、失敗の原因はムバッペのマスクだけではない。彼は大会全体を通じて姿が消えていた」

「怪しい兆しはあった。パリ・サンジェルマンでの昨季後半は問題が目立ち、出場時間も限られた。そのタイミングでコンディションも低下し、今大会でも完全に回復することはなかった。彼がもう一度EURO制覇へ挑戦するには、あと4年待たなければならない。その時彼は29歳になっている。今夏はヨーロッパ王者に輝く絶好の機会だった。EURO2028は年齢的にも彼にとって最後のチャンスかもしれない」

今大会のフランスは地味な戦いが目立ち、攻撃の編成も最後まで定まらなかった。ムバッペの状態が上がらなければ、現フランス攻撃陣の威力は半減してしまう。ムバッペにとっては前回のEURO2020に続いて苦い結果となったが、EURO2028でW杯とのダブル優勝の悲願を果たせるか。

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