EURO決勝ではやはりルーク・ショーを先発させるべきか 逆足のトリッピアーでは厳しい場面も

唯一の本職左SBとして選出されたショー photo/Getty Images

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コンディションはいかほどか

EURO2024でついに決勝まで勝ち上がり、スペイン代表との決戦を迎えるイングランド代表。これまで連携の乏しさや監督の人選ミスなど数多の批判を浴びながらも、結局勝ち上がってきたのはスリーライオンズということになった。

そんなイングランドで、大会通して懸念の1つとなっていたのが左サイドバックだ。スターターにニューカッスルのキーラン・トリッピアーを一貫して起用してきたガレス・サウスゲイト監督だが、同選手は右利きで、クラブでも右を主戦場とする選手。そもそもメンバー選考の時点で左SBを本職とする選手はマンチェスター・ユナイテッドのルーク・ショーしかおらず、ショーはコンディションの面で大会前から不安を抱えていた。

イングランドは準々決勝のスイス代表戦からシステムを3バックに変え、これが功を奏しているといわれている。ただ、多くは右ウイングバックとなったブカヨ・サカのチャンスメイクによるところが大きい。サカは孤立した状態でもカットインからのシュート、そのままゴールライン際を取ってクロスと選択肢をもっており、独力で状況を変えられる選手だからだ。翻ってトリッピアーは右足キックの精度に定評があるものの、左WBとしてワイドに配置される場合はその特長を活かしづらい。得意のクロスを上げるには右足に持ち替える必要があり、ドリブル能力に長けているわけでもないため、サカのようにカットインしてシュートといったシーンもみられない。
準決勝オランダ代表戦では、後半からショーが登場した。ショーであればそのまま左足で高精度のクロスを供給することができ、攻撃に幅が生まれる可能性が高い。英『football.london』ではスペイン戦の先発予想を行っているが、多くの記者がショーの先発を望んでいる。

懸念されるのはコンディションだが、オランダ戦では特に問題があるようには見受けられなかった。思えば3年前のEURO2020の決勝・イタリア代表戦で電撃的な先制点を挙げたのもショーであり、ケガさえなければワールドクラスの実力者。リスクをとってショーを先発させることがあるのか、サウスゲイト監督の最後の采配に注目が集まる。

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