昨年にはU-20ワールドカップも経験した
ドミニカのスポーツといえば、野球をイメージする人が多いだろう。世界的な野球の強豪であり、アメリカのMLBでプレイしているスター選手も多い。
しかし、そんなドミニカに今夏はこれまでと違う風が吹く。開幕が迫るパリ五輪の男子サッカーにドミニカが出場するのだ。
ドミニカは2022年に行われたU-20北中米選手権で準優勝の成績を残し、パリ五輪出場権を獲得。加えて翌年に行われたU-20ワールドカップ2023にも出場していて、若いドミニカの世代が扉を開いたというわけだ。
『Sportgazette』によると、この世代の中心選手の1人であるMFエディソン・アスコナ(20)は「北中米では、今後数年でドミニカが最大級のチームの1つになる可能性があると思う」と大胆な自信を口にしている。
アスコナはアメリカのラスベガス・ライツSCでプレイしており、20歳ながらA代表でもプレイしている。今回のパリ五輪でも背番号10を背負う予定で、注目すべき選手の1人と言える。
かつてイングランドのMKドンズやウォルバーハンプトンに在籍していたMFカルロス・エレディアはまだまだ国内でサッカーへの注目度が低いとしながらも、今回の五輪で国民の5%くらいはサッカーを見てくれるのではと冗談交じりに語っている。
今後の注目点となるのは、『二重国籍の選手たち』だ。エレディアも「僕たちの多くは二重国籍の選手で構成されているため、サッカー協会は選手たちが代表チームを選択する際に魅力的な提案をしなければならない。僕の場合はスペイン国籍もあるからね。そうした選手たちを引き留めなければならない」とコメントしている。
例えば今回の五輪メンバーには、レアル・マドリード・カスティーリャでプレイする19歳のDFエドガル・プジョルも入っている。同選手は世代別スペイン代表でもプレイしてきた選手だが、今回はU-23ドミニカ代表を選択している。今後はこうした選手が増えるかもしれない。
オーバーエイジ枠では、バルセロナにも所属していたリーズ・ユナイテッドDFジュニオール・フィルポの名前もある。バルセロナに在籍していた経験を含め、同国にとっては特別な選手である。今回の五輪にかける思いは強いだろう。
パリ五輪ではスペイン、ウズベキスタン、エジプトと同じグループCに入っている。スペインを除けば何とも読みづらいグループ構成だが、ドミニカはサプライズを起こせるか。