オルテガの台頭も影響か
今季プレミアリーグ5連覇を狙うマンチェスター・シティだが、今夏の移籍市場では非常におとなしく、あまり動きがみられない。取りざたされるのは選手の退団の話ばかりで、GKエデルソン・モラエスは放出が囁かれる選手のひとりだ。
サウジアラビアのアル・イテハドと合意間近とも伝えられるエデルソン。しかし、エデルソンはなぜシティを出ようとしているのだろうか。ペップ・グアルディオラ監督はエデルソン残留を確信しておらず、セルティックとのプレシーズンマッチのあとに記者会見で「彼の残ってほしいが、状況はよくわからない。問題はトレーニングと移籍期間が終わるまで我々と一緒にいるかどうかだ。何が起こるか見てみよう」と語った。エデルソンが他クラブと交渉していることは周知の事実となっている。
もちろん明確な理由の1つは莫大な報酬だろう。しかし『The Athletic』は、昨季終盤に退団の兆しがあったと伝えている。
エデルソンは昨季プレミアリーグの最後から2番目の試合(第34節延期分)でトッテナムとアウェイで戦い、2-0の勝利を収めた。しかしエデルソンは62分にトッテナムのクリスティアン・ロメロと衝突し、交代を余儀なくされてしまう。シュテファン・オルテガが交代出場すると、オルテガはビッグセーブを見せて次々とトッテナムの決定機を潰した。1-0で迎えた86分にはソン・フンミンに独走を許しあわや被弾かと思われたが、大股開きのセーブを見せたオルテガがまたしてもビッグプレイでチームを救っている。
試合はアディショナルタイムにアーリング・ハーランドがPKを決めてシティが2-0で勝利したが、同メディアはこのセーブがなければ1-1で終了し、トロフィーはアーセナルの手に渡った可能性が高いと指摘。オルテガのセーブを称賛するファンの言葉のなかに、エデルソンではセーブできなかっただろうという意見もあったことにも触れた。
トッテナム戦の後、ペップはオルテガへの称賛が集まるなかでエデルソンの貢献をことのほか強調し、「なぜチャンピオンズリーグを優勝できたかわかりますか? エデルソンのおかげです」などと話している。エデルソンに自身の重要性を改めて認識させようとするような態度であり、今にして思えば示唆的である。そしてその後、オルテガは1stGKの座を狙うように契約延長に至っている。
果たしてエデルソンはシティに残留する気がなくなっているのか。今後の動きに引き続き注目が集まる。