W杯優勝に導いた年に、DFとしてバロンドール受賞したカンナヴァーロ氏 最初「冗談だと思った」と知らされた当時の奇妙な状況を回想

引退後は監督としても実績を残している photo/Getty Images

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見知らぬフランス人記者から知らされ困惑

ファビオ・カンナヴァーロ氏がバロンドール受賞を知らされた当時の思い出を語り、その意外な経緯が話題を呼んでいる。

カンナヴァーロ氏と言えば、長くイタリア代表のキャプテンとして活躍し、世界最高のディフェンダーの一人と称されていたスーパースターだ。2006年のW杯では、固い守りでチームを牽引し、見事にアッズーリを優勝へと導いた。クラブではインテルやユヴェントス、レアル・マドリードなどのビッグクラブで力を発揮。バロンドールはW杯優勝した年でレアル・マドリード所属時に受賞した。

彼がその経緯を語ったのは、『La Gazzetta dello Sport』が主催するスポーツフェスティバルでの一幕。インタビューにて、彼がバロンドール受賞を知らされた当時のことを振り返った。
「フランス・フットボールの記者が、マドリードのバルデベバスに来たんです。初め、私は車の中にいたが、誰かが『ファビオ、ファビオ』と叫んでいるのが聞こえました」

「車を止めると、彼は息を切らしながら私に話しかけてきました。『あなたと話したいことがあります。私はフランス・フットボールで働いています』と言って、名刺をくれました。私は『家に帰る』と言ったのですが、彼は『一緒に行ってもいいですか? バロンドールに関する重要な話をしたいんです』と言ったんです」

なんとカンナヴァーロ氏はその記者を車に乗せると、一緒に自宅へ向かったという。その車内での会話も明かしている。

「彼は車に乗り込んでから、『式典までまだ時間があるのは分かっていますが、投票の結果、君がバロンドールを受賞したことが明らかになったんです』と言いました」

すると言われた当の本人は「最初は冗談かと思いました」と意外な反応を示したそうだ。そして思わず笑ってしまうのが、彼の妻も同じ考えだったことだ。カンナヴァーロ氏が車内で妻に電話し、この件を伝えたところ、こう語ったという。

『ねえ、ファビオ、それは冗談だと思うわ』

彼は世界最高のDFであるにもかかわらず、本人も妻もなぜ受賞を疑ったのか。その理由も最後に明かしている。

「受賞の話はおかしかったし、予想外だった。確かにワールドカップが素晴らしかったことは知っていたが、ディフェンダーが受賞するのはほぼ不可能です」

確かにカンナヴァーロ氏を含め、守備的なポジションで受賞している選手はフランツ・ベッケンバウアーやレフ・ヤシンなど数えるほど。ほとんどの場合は攻撃的なポジションの選手が選出される。カンナヴァーロ夫妻がそう思うのも当然のことだったかもしれない。

それでもカンナヴァーロ氏は「このトロフィーを受け取ったことで、これまでの懸命な努力が報われました」とも語っており、このバロンドール受賞を誇りに思っているようだ。ファビオ・カンナヴァーロ氏がバロンドール受賞を知らされた当時の思い出を語り、その意外な経緯が話題を呼んでいる。

カンナヴァーロ氏と言えば、長くイタリア代表のキャプテンとして活躍し、世界最高のディフェンダーの一人と称されていたスーパースターだ。2006年のW杯では、固い守りでチームを牽引し、見事にアッズーリを優勝へと導いた。クラブではインテルやユヴェントス、レアル・マドリードなどのビッグクラブで力を発揮。バロンドールはW杯優勝した年でレアル・マドリード所属時に受賞した。

彼がその経緯を語ったのは、『La Gazzetta dello Sport』が主催するスポーツフェスティバルでの一幕。インタビューにて、彼がバロンドール受賞を知らされた当時のことを振り返った。

「フランス・フットボールの記者が、マドリードのバルデベバスに来たんです。初め、私は車の中にいたが、誰かが『ファビオ、ファビオ』と叫んでいるのが聞こえました」

「車を止めると、彼は息を切らしながら私に話しかけてきました。『あなたと話したいことがあります。私はフランス・フットボールで働いています』と言って、名刺をくれました。私は『家に帰る』と言ったのですが、彼は『一緒に行ってもいいですか? バロンドールに関する重要な話をしたいんです』と言ったんです」

なんとカンナヴァーロ氏はその記者を車に乗せると、一緒に自宅へ向かったという。その車内での会話も明かしている。

「彼は車に乗り込んでから、『式典までまだ時間があるのは分かっていますが、投票の結果、君がバロンドールを受賞したことが明らかになったんです』と言いました」

すると言われた当の本人は「最初は冗談かと思いました」と意外な反応を示したそうだ。そして思わず笑ってしまうのが、彼の妻も同じ考えだったことだ。カンナヴァーロ氏が車内で妻に電話し、この件を伝えたところ、こう語ったという。

『ねえ、ファビオ、それは冗談だと思うわ』

彼は世界最高のDFであるにもかかわらず、本人も妻もなぜ受賞を疑ったのか。その理由も最後に明かしている。

「受賞の話はおかしかったし、予想外だった。確かにワールドカップが素晴らしかったことは知っていたが、ディフェンダーが受賞するのはほぼ不可能です」

確かにカンナヴァーロ氏を含め、守備的なポジションで受賞している選手はフランツ・ベッケンバウアーやレフ・ヤシンなど数えるほど。ほとんどの場合は攻撃的なポジションの選手が選出される。カンナヴァーロ夫妻がそう思うのも当然のことだったかもしれない。

それでもカンナヴァーロ氏は「このトロフィーを受け取ったことで、これまでの懸命な努力が報われました」とも語っており、このバロンドール受賞を誇りに思っているようだ。

彼には選手時代から実直で人情味溢れる一面があった。この歴史的瞬間の裏で起こっていた面白い逸話も、なんとも彼の人間味が感じられる話である。

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