三笘→中村の”ドリブラー継投”で左サイドを攻略。同点弾を奪取 埼スタでのオーストラリア戦は1-1のドロー決着。森保ジャパンは最終予選無敗継続

試合を振り出しに戻すオウンゴールを誘発した中村敬斗 photo/Getty Images

途中交代の中村敬斗は三笘薫に負けない輝きを見せた

AFCアジア最終予選、埼玉スタジアムで行われた第4戦で日本代表はオーストラリア代表と対戦した。

森保ジャパンのシステムはお馴染みになりつつある[3-4-3]。体調不良で欠場となった遠藤航に代わって田中碧が、2シャドウの一角には鎌田大地に代わって久保建英が起用された。

アウェイのオーストラリアも日本と同じ[3-4-3]を採用。最前線にはFC町田ゼルビアでプレイするミッチェル・デュークが入った。アルビレックス新潟所属のトーマス・デンはベンチから出番を待つ。

キックオフ直後にオーストラリアはボールを保持する日本にハイプレスを行い、自陣にブロックを敷くだけじゃない強気な姿勢を見せる。日本もそれに負けじとボールロスト時には素早いネガティブトランジションを披露し、相手に攻撃の時間を作らせない。

日本はボール保持時にボランチの守田英正が最終ラインに吸収され、オーストラリアの3枚プレッシングに対し、4枚でビルドアップを行っていく。

15分、日本代表がセットプレイからオーストラリアゴールに迫る。久保のドリブルから右サイドでコーナーキックを獲得すると、キッカーの久保はゴール前の密集ではなく、大外の堂安律にクロスを供給。シュートはジャストミートしなかったものの、デザインされたセットプレイで相手ゴールを脅かした。

久保がドリブルからコーナーキックを獲得したように、日本の強みはやはりサイドの強力なドリブラーだ。左の三笘薫、右の久保は対峙するディフェンダーを苦にしておらず、積極的に仕掛けていく。

日本が気を付けるべきはカウンターだろう。30分には久保のロストからジョーダン・ボスにペナルティエリア内までボールを運ばれてしまった。

前半71%のボール保持率を記録するも、日本はオーストラリアから得点は奪えず、0-0で試合を折り返す。

後半開始時に日本の交代はなし。オーストラリアはボランチのルーク・ブラッタンに代えて、MLSでプレイするパトリック・ヤズベックを投入する。

57分、日本にチャンス到来。ペナルティエリア右角から久保が左足でクロスを上げ、大外の南野拓実がヘディングで合わせる。しかし、シュートはサイドネットに飛び、枠は捉えられない。

その直後のプレイで日本は失点を喫する。右サイドからのクロスを谷口彰悟がクリアで対応しようとするも、ボールの当たりどころが悪く日本のゴールネットを揺らしてしまう。日本はアジア最終予選4試合目にして初の失点となった。

62分、日本は堂安に代えて伊東純也を投入する。64分にはその伊東がさっそく右サイドからクロスを上げ、ペナルティエリア内で上田綺世が合わせるも、得点は奪えない。

同点に追い付きたい日本は70分に鎌田大地と中村敬斗を投入。中村が左ウイングバックとなり、三笘がシャドウに。その三笘と鎌田が上田の下で横に並ぶ。

日本が同点に追い付いたのは76分のこと。中村が得意のドリブルで左サイドからペナルティエリア深い位置まで侵入し、クロスを供給。ボールは相手ディフェンダーに当たり、これがオウンゴールとなって日本が試合を振り出しに戻した。

上田に代えてサウジアラビア戦でゴールの小川航基をピッチに送り出し追加点を狙うも、その後スコアは動かずホームでのオーストラリア戦は1-1のドローとなった。試合終了時のボール保持率は66%、相手に許したシュートは1本のみとなったが、勝ち点3を挙げることはできなかった。

日本の強みとして再度証明されたのは選手層の厚さだろう。左のウイングバックは三笘から中村へ、右のウイングバックは堂安から伊東に交代し、試合を通して強度の高さを保った。このドリブラー4人が日本の攻撃の生命線であり、この試合では三笘→中村の左サイドから同点弾を奪っている。

[スコア]
日本 1-1 オーストラリア

[得点者]
オーストラリア
OG 谷口彰悟(58)

日本
OG キャメロン・バージェス(76)

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