「右サイド」で創造性に欠けた堂安と久保 途中出場から好プレイを見せた「伊東のウイングバック」が最適解なのか

右サイドで突破を見せた伊東 Photo/Getty Images

日本が誇る2人のレフティが沈黙

2026年にアメリカとカナダ、メキシコの3カ国で共催されるワールドカップ(W杯)北中米大会のアジア最終予選で、日本代表はオーストラリア代表と1-1の引き分けに終わった。試合開始前の楽勝ムードを裏切る結果となったこの試合で注目したいのが、堂安律らが苦しんだ右サイドの攻撃である。

ウイングバックで出場した堂安は完全に沈黙。『Sofa Score』によれば、62分間のプレイでドリブル突破回数がゼロ、シュート1本と、持ち味を発揮することができずに62分に交代。またシャドウの位置で出場し、右サイドに流れてプレイする機会の多かった久保建英も、クロスを多用したが効果的なチャンスメイクをすることができずに不完全燃焼のまま70分でピッチを退いた。2人の共存を可能にするとされていた現行の3バックシステムをもってしても、レベルの高い試合で結果を残すことは森保一監督にとって難題だったのかもしれない。

堂安は試合後に「タケ(久保建英)が少し孤立しているところもありましたし、僕もタケと入れ替わりながらやりましたけど、それも分析されていたような感じではあった」と話し、連携面での課題を口にした。屈強なフィジカルを持つオーストラリアのディフェンスによって沈黙させられたことを考えると、W杯で強豪国と渡り合うのに久保と堂安のコンビでは不十分なのかもしれない。

最終予選の舞台でレフティ2人のコンビネーションを仕上げるよりも、堂安に代わり、途中出場から持ち前のドリブルで何度もチャンスメイクを見せた伊東純也を右ウイングバックに据えることが最適解ではないだろうか。スピードを生かした突破やDFの背後へのランニングで守備ブロックの裏をつくことができる上に、ビルドアップ時にはサイドに張ることにより他者にスペースを生み出すことができる。また、これによりハーフスペースを有効活用しながら、伊東が張ることにより相手のサイドバックにも牽制をかけられる。このような特徴をもつ伊東を堂安の代わりに配置することで、三笘薫や中村敬斗を擁する左サイドの攻撃のように創造性が生まれるだろう。

仮に伊東がウイングバックに入ったとしても、シャドーの人選や連携などまだまだ課題は山積みであるが、スタートから伊東を使うことを攻撃時のオプションのひとつとして考慮するやり方も選択肢に含めるべきかもしれない。

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