なぜフリックはバルセロナで成功を収めているのか 秘訣は優れた対話術と観察眼、そしてディティールへの拘り

バルセロナのハンジ・フリック監督 photo/Getty Images

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強豪相手に快勝

今季開幕から好調を維持してきたバルセロナは、23日(現地時間)のバイエルン・ミュンヘン戦に4-1、続く26日のレアル・マドリード戦でも4-0と快勝を収め、圧倒的な強さを見せつけた。

バルセロナが昨季から大きく変貌を遂げた最大の要因は、新指揮官のハンジ・フリック監督であることは間違いない。バイエルンで2019-20シーズンにUEFAチャンピオンズリーグとブンデスリーガ、そしてDFBポカールを制して三冠を達成した実績こそあるものの、その後指揮を執ったドイツ代表では2022年のワールドカップカタール大会でのグループリーグ敗退など成果を上げることができずに昨年9月に解任されていた同監督は、バルセロナの地で名誉挽回に成功し、再び名将の一人との評価を得つつある。

フリック監督のバルセロナでの成功の秘訣は、その優れた対話術と観察眼、そしてディティールへの強い拘りにあるようだ。現役時代にバイエルンで活躍し、フリック監督とも40年来の付き合いがある解説者のローター・マテウス氏はドイツ紙『Bild』の取材に応じ、フリック監督の現在の仕事ぶりについて以下のように分析している。
「ハンジにとって、選手達との日常的な付き合いは非常に重要なんだ。彼は普段の会話を通じて選手達との間に信頼関係を構築することができる指導者であり、選手達の様子をよく観察している。それらは、やりたいサッカーのスタイルを彼らに集中的に落とし込むことに役立っていると思う。彼はディティールにとても拘りがあって微妙なニュアンスを重視するタイプなので、6週間の間に1試合か2試合しかない代表チームではあまり上手く行かなかった」

明確な哲学があり、さらにそれを選手達に伝えることのできる経験とスキルを持ち合わせた指揮官の招聘に成功したことで、バルセロナは再び欧州サッカーのトップへの返り咲きを果たそうとしている。

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