怪我がちだったトーマスがフル稼働、すでに昨季の出場時間超え アーセナルは契約最終年のベテランMFをどうするのか

サイドバックとしてもフル稼働のトーマス Photo/Getty Images

やはり屋台骨となれる存在だが

アーセナルはカラバオカップ4回戦でプレストン・ノースエンドと対戦。3-0と快勝を収めて準々決勝進出を決めた。

プレミアリーグ前節のリヴァプール戦で途中交代したDFユリエン・ティンバーは右サイドバックとして先発し、元気な姿を見せた。しかし後半にMFトーマス・パルティと交代している。前節は足を攣って交代しており、ミケル・アルテタ監督もティンバーに疲れがあったことを認めていたが、まだベストコンディションというわけではないようだ。

そして注目したいのは交代したトーマスの方だ。後半をまるまる右サイドバックとしてプレイしたが、これで今季の出場時間はトータルで1056分となった。昨季はコミュニティ・シールドを合わせても883分にとどまっており、負傷離脱した期間が長かったとはいえ昨季の出場時間を早くも超えることになっている。プレミアリーグに絞っても昨季は14試合で789分、今季は9試合で799分であり、稼働率が大幅に上がっている(データは『Transfermarkt』より)。

ティンバーの代わりとして出場したように、今季のトーマスはアンカーとしてだけでなく、右サイドバックとしても頻繁にプレイし負傷者の穴を埋めている。本職ではないためやや不安定なところも見受けられるものの、ティンバーやベン・ホワイトのコンディションがなかなか整わない状態のなかでトーマスの存在は大きなものとなっており、地味な役回りながらチームを支える屋台骨となっている。リーグ戦ではここまで全試合先発だ。

しかし、フル稼働のトーマスにつきまとうのは再度の負傷離脱の心配だ。アーセナルに移籍してからというもの、負傷で長期離脱しなかったシーズンは22-23シーズンくらいだが、負担がかかっていたのか23-24シーズンに突入してまもなく鼠蹊部を傷め離脱している。運動量の点でアンカーよりも負担がかかるといわれるサイドバックでの出場が続くことには不安もあるが、最終ラインの選手たちのコンディションが整わない現状ではなかなかトーマスを休ませることができなくなっている。

献身的にチームを支えるトーマスだが、今季は契約最終年でもあり、アーセナルは契約延長か否かの判断を迫られている。1月までに決断しなければトーマスには自由に他クラブと交渉する権利が与えられ売却も難しくなるが、現状ではやはりチームになくてはならない存在といって差し支えなく、去就にもいっそうの注目が集まることになるだろう。

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