影を潜めていたカウンターへの脆さを露呈 ペップ・シティが勝てなくなった2つの理由

ロドリ不在で苦しむシティ photo/Getty Images

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公式戦3連敗は2018年以来のことだという

今季からレギュレーションが変わったCLリーグフェーズ第4節スポルティングCP対マンチェスター・シティの一戦は、4-1でホームチームが大勝を飾った。シティはフィル・フォーデンの先制点でリードを得るも、好調ヴィクトル・ギェケレシュにハットトリックを許し、カラバオ杯トッテナム戦から続く連敗を「3」に伸ばしてしまう結果に。

なぜこれほどまでにシティは不安定なチームになってしまったのか、その理由は2つある。

1つ目はチームの中心人物であるロドリの不在によるところが大きい。彼の強みは相手のプレッシャーを受けながらも、ロストせずにボールを左右に散らせる配球力だ。
今季はロドリに代わってマテオ・コヴァチッチがアンカーを任されているが、ロドリほどの安定感をもって配球できていない。
ロドリであれば1本のパスで逆サイドのウイングの足もとに正確なパスを届けられるが、コヴァチッチはそういったタイプではない。
どちらかといえば推進力のあるドリブルで攻撃を進める選手で、ロドリのようなプレイメイカーではないのだ。
そうなると、相手はプレッシングでシティのビルドアップをハメやすくなり、ボーンマス戦のように後方でのミスからカウンターを受けてしまう。ビルドアップが機能しなければ、相手を敵陣に押し込むことができず、セカンドボールの回収も難しくなる。

セカンドボールが回収できなければシティは攻撃を継続することができず、守備に回る時間が多くなる。ここ数年のシティはジョアン・カンセロやオレクサンドル・ジンチェンコのような守備を苦手とするSBではなく、守備を強みとするネイサン・アケらをSBで採用することで、相手の攻撃に対応してきた。

しかし、今季はカイル・ウォーカーの不調でどちらかといえばカンセロ、ジンチェンコタイプの仕事を任されているリコ・ルイスの出番が多くなっており、守備の強度は落ちている。特にルイスは攻撃時にSBからインサイドハーフ、トップ下のようなポジションにまで出張することが多く、守備時の切り替えでは自陣までプレスバックする距離が非常に長くなっている。ウォーカーであればすぐに戻れるのかもしれないが、ルイスは彼ほどスピードがある選手ではない。

そして、そのルイスをカバーする他の守備陣に怪我人が続出している。ルイス起用時の守備局面でのデメリットと怪我人の多さ、これが2つ目の理由だ。ディフェンスリーダーであるルベン・ディアスとジョン・ストーンズは負傷でベンチ外となっており、アケは戦列復帰となったが現在は痛みを抱えながらプレイしているという。マヌエル・アカンジもカラバオ杯トッテナム戦でふくらはぎに違和感を感じ、先発を回避している。ウォーカーも万全な状態ではなく、ボーンマス戦ではアントワーヌ・セメンヨの対応に苦労していた。この日若いジャフマイ・シンプソン・ピュゼーがスタメンに抜擢されたのも、過密日程の中でディフェンスラインの負担を少しでも減らしたい考えがあったのだろう。

そもそもシティはペップ・グアルディオラ監督就任以降、カウンターへの対応に頭を悩ませてきた。それを解決したのはロドリを軸とする厚みのある攻撃とディフェンスラインの安定感だった。攻撃は最大の防御というように攻撃の時間を最大限長くし、それでも訪れる守備の時間を最終ラインのクオリティでカバーしていた。しかし、今のシティはロドリと最終ラインの安定感の両方を失っており、以前のカウンターに弱いシティの一面が姿を現してしまっている。

最終ラインはディアス、ストーンズの復帰、ウォーカーのコンディションが戻れば一定の水準に再び達するといえるが、今季はもうロドリに頼ることはできない。冬の移籍市場で彼に代わる選手を獲得し、現在のスタイルを継続するのか、それともロドリ不在で新たなシステムを見つけるのか、ペップの今後の采配に期待したい。

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