バイエルンのセンターバックコンビの評価が急上昇中 離脱中の伊藤洋輝に待つ復帰後の厳しいポジション争い

バイエルンのキム(左)とウパメカーノ(右) photo/Getty Images

夏までは放出候補だった二人

バイエルン・ミュンヘンは5日(現地時間)、同クラブ所属の伊藤洋輝が中足骨の再手術を受けたことを発表した。

オフシーズン中にシュツットガルトからバイエルンに完全移籍で加入し、名門での活躍が期待されていた伊藤だが、今季開幕前に行われたプレシーズンマッチで中足骨を骨折。その後はリハビリに取り組み、順調に行けば今月中に戦列復帰できると見込まれていた中で無念の再手術となった。

もっとも、伊藤の復帰が遅れることは今のバイエルンにとってそれほど痛手ではないかもしれない。その理由として、センターバックコンビのキム・ミンジェとダヨ・ウパメカーノのパフォーマンスがここへ来て上向いてきているからだ。

両選手は昨季後半から失点に絡むことが多く、伊藤の獲得が発表された際にはともに現地メディアから放出候補として名前が挙がっていた。しかし前線からのハイプレスを指向するヴァンサン・コンパニ監督は、ディフェンスラインとゴールキーパーの間に生まれる広大なスペースをカバーするために高い身体能力を誇るキムとウパメカーノをレギュラーとして固定。UEFAチャンピオンズリーグのバルセロナ戦で4失点を喫するなど当初は不安定さも目立ったものの、ここへ来て公式戦5試合連続無失点と指揮官の期待に応える活躍を見せている。

失点数が目に見えて減少したことで、両選手に対するチーム内外からの評価も変わりつつある。キムは9日に行われたベンフィカとの試合で現地各紙からチーム最高の評価を得て称賛された一方、ドイツメディア『SKY』によると、ウパメカーノも最近の活躍がクラブ首脳陣に評価され、近く契約延長に向けた交渉に入るという。

伊藤には左利きという特異性はあるものの、今のキムとウパメカーノからポジションを奪うのは容易ではなく、復帰した後もセンターバックのポジションで出場機会を得られるかは不透明な状況となっている。

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