過去10年、もっとも選手獲得に資金を費やしたクラブはマンチェスター・ユナイテッド しかし費用対効果は疑問

失敗補強とされるアントニー Photo/Getty Images

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特筆すべきはリヴァプール

『CIES Football Observatory』は、過去10年で各クラブが選手獲得に費やしてきた資金の総額を発表した。1位はイングランドのマンチェスター・ユナイテッドとなり、プレミアリーグの多くのクラブがそれに続いた。

ユナイテッドの過去10年の支出総額は13億ユーロ(10億8000万ポンド)である。今夏もマタイス・デ・リフト、レニー・ヨロ、マヌエル・ウガルテらを獲得し、この夏だけで2億4千万ユーロほどを使っている。その前の夏にもメイソン・マウントらの獲得に2億2000万ユーロを消費しているが、現在のチームの低迷ぶりはリーグ13位という順位表が示すとおり。費用対効果には疑問があると言わざるを得ない。

2位はチェルシーであり、過去10年で12億ユーロを費やしている。ロマン・アブラモビッチオーナーの時代から大金を惜しみなく使うクラブではあったが、この数字の多くの部分はトッド・ボーリーオーナーに代わってからのもので、モイセス・カイセドやエンソ・フェルナンデス、ミハイロ・ムドリクなど高額の移籍がかなり多かった。
3位はパリ・サンジェルマン(9億9100万ユーロ)で、ネイマール。リオネル・メッシ、セルヒオ・ラモスらビッグネームの獲得が響いていると思われる。4位は近年多額の移籍金を費やすようになったアーセナル(7億9500万ユーロ)、そして5位にはトッテナム(7億1100万ユーロ)が続いている。意外なことにトッテナムはライバルのアーセナルに迫りつつあるが、相変わらずタイトルとは無縁のままだ。

特筆すべきはリヴァプールか。3億6600万ユーロで17位となっているが、これはボーンマス、アストン・ヴィラ、ウェストハムといったクラブよりも少ない。しかしこの10年の間にリーグ制覇、CL制覇を成し遂げており、現在もリーグテーブルのトップに名前がある。アカデミーから引き上げた選手たちが多く主力となったことも大きい。

目眩がするような多額のマネーが動くサッカーシーンだが、明暗ははっきりと分かれているようだ。

上位10クラブは以下の通り

1.マンチェスター・ユナイテッド:13億ユーロ
2.チェルシー:12億ユーロ
3.パリ・サンジェルマン:9億9100万ユーロ
4.アーセナル:7億9500万ユーロ
5.トッテナム:7億1100万ユーロ
6.マンチェスター・シティ:7億300万ユーロ
7.ACミラン:6億3300万ユーロ
8.ニューカッスル:6億2600万ユーロ
9.バルセロナ:6億100万ユーロ
10.アル・ヒラル:5億5600万ユーロ

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