今月は敵地でインドネシアを4-0、中国を3-1で撃破し、2026ワールドカップ・アジア最終予選のグループCで首位を独走する日本代表。グループCではサウジアラビア、オーストラリアといった他のチームが大接戦を演じており、5勝1分の日本だけが楽々と勝ち点を稼いでいる格好だ。
もはやワールドカップ出場権獲得は確実であり、視線は早くも1年半後に迫る本大会の方に向かいつつある。果たして日本代表は2026ワールドカップでどこまで進めるのか。日本の強さにスポットを当てたのは、米『ESPN』だ。
まず大きく進化した点として、『タレント力』が挙げられる。もはや海外組だけでスタメンを構成するのは当たり前の時代であり、ビッグクラブではないとしても、5大リーグでプレイする選手はかなり増えた。
同メディアも「クラブレベルを考えれると、アルゼンチン、フランス、スペイン、イングランドといったチームのレベルには達していないが、それほど差があるとも言えない。何よりピッチ上で証明されているように、スター選手の数よりも、選手たちがチームとしてどう機能するかの方が大事である」と現在の日本を評しており、タレント力的にはワールドカップの『第2集団』に入るくらいの顔ぶれになってきたのではないか。
森保監督の変化も大きい。2022カタール大会ではドイツ、スペインを撃破したが、一方で戦い方が守備的との声もあった。それが今や3バックをベースに、堂安律や三笘薫といった攻撃的な選手をウイングバックに配置する攻撃的なシステムが定番となりつつある。ワールドカップ本番でもこのシステムを使うかは分からないが、ここまでは見事な結果に繋がっている。
「森保監督は2022年から学んだようだ。今では三笘、堂安をウイングバックに置くシステムに落ち着き、以前の慎重さを捨て去っている。攻撃時は遠藤航、守田英正の2人も前進するため、実質サムライブルーは7枚で攻撃することになる。そこに板倉、町田も絡み、町田は今月のインドネシア戦で南野のゴールに繋がるプレイを見せている。森保監督がこのアプローチを世界の強豪相手にも使用するかは、時が経てば分かるだろう」
同メディアはこのように評しており、攻撃の手数は確実に増えている。試合途中から伊東純也、中村敬斗が出てきたり、試合によっては久保建英でさえスタメンに入らないことがある。2列目の選手層は2チーム分作れるほど豪華だ。この厚みはカタール大会時より明らかに上で、2026年大会でも威力を発揮するに違いない。
最後にメンタリティだ。海外で厳しい環境に身を置いていることも一因だろうが、今の代表選手はいい意味で大胆だ。同メディアも日本人らしくないメンタリティになったと称えていて、これも2026年大会へ期待できる理由の1つだ。
「彼らのプレイは自信に溢れており、良い意味で傲慢さが感じられる。中国を7-0、インドネシアを4-0で撃破したゲームでも、決着が見えてからも彼らは冷静だった。ペースを緩めることが相手への無礼にあたるかのようにだ」
「もうそろそろ日本はワールドカップ出場権を獲得する。カタール大会からどのように成長したのか、それを証明するチャンスを手にするのだ。優勝を狙うにはまだ一歩足りないかもしれないが、初のベスト8は必須と言える。ベスト4にまで進めば、サムライブルーは優勝という最終目標へ正しく進んでいることを意味するだろう。たとえ優勝が2050年までかかるとしてもだ」
2026年大会からは出場国が48に増加し、レギュレーションも変わる。ベスト8への道のりもこれまでと変わることになるが、日本の当面の目標は変わらない。まずはベスト16の壁を突破し、ベスト8で優勝候補たちと真っ向勝負を挑むのが2026年大会の目標の1つとなる。そこへ進むだけの力はあるはずで、今の森保ジャパンにワクワクしているファンも多いはずだ。