ラニエリ監督が批判にさらされているローマの主力選手を擁護 「ファンは真実を知るべき」「デ・ロッシを追い出したのではない」

チームの長として選手を守る立場を明確にしたラニエリ氏 photo/Getty Images

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ラニエリ監督が名将と呼ばれる所以かもしれない

ローマの指揮官、クラウディオ・ラニエリは、自身が就任する前に起こったチームの混乱について「ファンは真実を知るべきだ」と言及した。

ジャロロッシは、日本時間12月2日の早朝にリーグ第14節のアタランタ戦を控えている。その試合前の会見で、ラニエリ監督による上述の発言があった。

彼が語ったのは、ロレンツォ・ペッレグリーニなど主力の3選手に対してだ。今シーズン始めに指揮官だったダニエレ・デ・ロッシ監督の解任を手伝ったとの噂が立ち、一部で批判にさらされていた。
「私はランパードとペッレグリーニという、ゴールを決める並外れたミッドフィルダーを二人を知っている。ペッレグリーニを批判する人は多いが、彼ほどゴールを決めるミッドフィルダーが何人いるだろうか? 私はローマを助けるためにここにいるし、彼に私の計画を説明した。彼は必要な成長過程を始めている。彼は静かで外向的な若者で、この状況では他の誰よりも苦しんでいる。彼はデ・ロッシを追い出したのではない。ファンはそれを知っているはず。マンチーニもクリスタンテも同様だ。それどころか、彼らは必死になって彼を引き留めようとした。ファンは真実を知るべきだ」

この智将の発言には、少なからずチームの立て直しを最優先と考えている部分があったのだろう。組織を統べる立場の人間から見れば、チームの復活に主力選手の活躍は不可欠。サッカーの技術以外の部分で苦しむ選手たちの心を整えるべく、はっきりと擁護する立場をとったのではないか。

選手たちはチームの不調が続く中で真実が伝わらず、どんどん批判がエスカレートしていくこの状況にどう手を打てばいいかわからず戸惑っていたに違いない。いくら技術が優れたサッカー選手であっても、その前に人間である。心理的な影響は当然ある。

ラニエリ監督の発言に、選手の精神面を整える意図があったかどうかは定かではないものの、ここまではっきりと根本の問題に対して選手を擁護するような姿勢は、クラブの経営陣や前監督のイヴァン・ユリッチ氏には見られなかった。彼らは臭いものに蓋をするように話題を口にせず、その姿勢は意図的にさえ見えた。今回のラニエリ監督の発言は、批判されている選手にとっては何よりも欲しい援助だったのではないだろうか。

もしかしたらラニエリ監督が表立って選手の味方であることを示したことで、風向きが変わるかもしれない。ここまで同監督の指揮下でローマは2試合未勝利であり、次節も含め厳しい戦いは続くものの、どうにかこの正念場を乗り越えてもらいたいところだ。

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