これは“ダブスタ”か!? 反LGBTQ+的と非難されるグエーイの父がFAに反論 腕章着用拒否のムスリムの選手は処罰されず

ニューカッスル戦でのグエーイの腕章 Photo/Getty Images

続きを見る

腕章に「私はイエスを愛している」とサイン

クリスタル・パレスのキャプテンであるDFマーク・グエーイは、第13節ニューカッスル戦で、LGBTQ+コミュニティへの連帯を示す虹色の腕章に「私はイエスを愛している」と記したことで物議を醸している。カトリック教徒は、伝統的に同性愛を否定している。

英サッカー協会(FA)は、この行為をとがめグエーイに警告を発したというが、第14節イプスウィッチ戦では「イエスはあなたを愛している」というサインが腕章に書かれていた。FAの規則では「あらゆる政治的、宗教的、または個人的なスローガン、発言、または画像」を禁止している。グエーイはこの件で、正式な懲戒処分を受ける可能性もあるようだ。

反LGBTQ的な行為として非難されるグエーイだが、敬虔なカトリック教徒として牧師をしている同選手の父親ジョンさんは、FAの判断をダブルスタンダードだとして反論している。英『Daily Mail』がコメントを伝えた。
「イエスはすべての人を愛していました。だから、腕章に『私はイエスを愛している』と書くことの何が不快で、何が問題なのか私にはまったくわからないのです」

「LGBTコミュニティが何をしているのかを見れば、彼らは自分たちの信念を他人に押し付けようとしていることがわかります。それは信念と信念の対立ですが、結局のところ、誰もが意見を言う権利を持っているのです」

「マークは『イエス』と書き、正しく腕章を着けましたが、彼が書いた内容について人々は彼を非難しています。彼は腕章を着けることを受け入れましたが、メッセージのバランスをとろうとしただけです。彼は『私は腕章を渡されたが、自分はキリスト教徒としてその主張を信じていない。でも自分は腕章を着ける』と言っていました。(イプスウィッチのサム・)モーシーはそれが自分の宗教に反するとしてそれを着けなかったが、彼(モーシー)よりもマークについて語られていることのほうが多いようです」

イプスウィッチの主将モーシーはノッティンガム・フォレストとの試合で虹色の腕章を着用せず、同じく注目されたが、これはムスリムである本人の宗教的信念に起因している。着用しなかったことはクラブの包括性に対する姿勢を反映するものではないとイプスウィッチは声明を出しているが、FAからは特にこれに対する処罰が検討されているといった話はない。これが罰されずにグエーイばかりが非難されるのはおかしいではないかとジョンさんは主張しているわけだ。

このキャンペーンが始まったのは10年以上前となり、性的マイノリティに対する理解をプレミアリーグは促進してきたが、保守的な人々にとっては理解しがたい部分も依然としてあるようだ。今回の両選手の行動はどちらも宗教的な価値観に立脚したものと言えるが、それもまた否定されるべきものではない。「多様な価値観」を認めることの難しさは、やはりフットボール界でも浮き彫りとなっている。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.299 フリック・バルサ徹底分析

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:海外サッカー

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ