「昔は不可能と思われていた日本が世界王者になるという夢物語も、今ではおかしな話ではない」快進撃を続ける日本をFIFA公式が特集

カタール大会から着実に進歩している日本代表 photo/Getty images

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カタール大会から2年

今からちょうど2年前、2022年ワールドカップ・カタール大会の決勝トーナメント1回戦の日本対クロアチアの試合が行われた。グループステージにてドイツ、スペインを倒して世界中を驚かせ、勢いづくままクロアチア戦に臨んだ。前田大然のゴールで先制した日本だったが、後半にイヴァン・ペリシッチのゴールで追いつかれ、試合はそのままPK戦へ突入。PK戦を3-1で制したクロアチア代表が準々決勝にコマを進めた。

あの試合から2年が経ち、その間日本はさらに快進撃を続けていた。ワールドカップ以降の試合で日本は26試合21勝2分3敗の成績。昨年9月に親善試合で再びドイツと対戦し4−1の快勝、トルコやペルーといった国にも快勝し、現在行われているワールドカップ・北中米大会アジア3次予選(最終予選)では5勝1分負けなしで失点もわずか2失点(うち1点はオウンゴール)と順調に勝ち進んでいる。来月行われるバーレーン戦にて勝利すれば8大会連続8回目の出場が決まる。

そんな快進撃を見せる日本をFIFAが特集。「クロアチア戦の敗戦から2年 アジア初の世界王者への道」と題して、カタール大会での敗退から成長したポイント2つと、ワールドカップで優勝するには何が必要なのかを分析している。
日本がカタール大会後変わったポイントとして、1つは選手「個」の能力が格段に進化したことだという。11月の代表に招集されたメンバー27人のうち、欧州組は23人。ほとんどが欧州組で組まれていることから「誰がピッチでプレイしてもクオリティは落ちず、選手層の厚さは歴代一と言っても過言ではないだろう。そういった高いレベルでのチーム内の競争が選手たちを刺激して、より高いレベルへ成長しようとする好循環も生まれている」と言及。それに加え、「チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどの最高峰のコンペティションでプレイする選手が何人もチームに存在するようになったことが大きな違いをもたらし、日常的にこのような大きな大会でプレイすることで経験値が蓄えられ、いざという時の大一番でも平常心に近い状態でプレイすることができる」と日本の選手個々の能力を評価している。

2つ目に戦術面。相手の戦術や戦況に応じてフォーメーションを柔軟に変更し、相手の守備を攻略する新たなアプローチをできること。「相手が日本対策を敷いてきたとしても、それを跳ね返すだけの多彩な戦術のバリエーションを持ち合わせている。アジアカップでは対策を講じてきた相手に対して有効な手を打つことができずにその策略にハマってしまい苦戦を強いられたが、このアジア予選では相手が練ってきた対策に柔軟に対応して、最適な戦術やフォーメーションでそれを掻い潜っている」と紹介している。

これまでの日本はワールドカップにおいて選手層の薄さ、そしてメンタル的な問題も指摘されていた。特に相手が1点取った後に途端に弱気になり、一気に雰囲気に呑まれて逆転負けというケースが多かった。今では選手層は過去最強であり、メンタルも過去に比べれば克服できているようにも見える。その上で日本がワールドカップでベスト8及び優勝するためには、「選手個人がさらなる成長をし続け、さらに数ある戦術の完成度を極限まで高めつつ、どんな相手が来ても怖気付くことなく自分たちの実力を発揮できる土台を構築していくことが鍵となる」と言及し、「一昔前は『不可能』と思われていた日本が世界王者になるという夢物語も、今の勢いを考えれば彼らがワールドカップを制覇するアジア史上初の国となってもおかしな話ではない。森保監督率いるサムライブルーが着実にこのシナリオを進んでいけば、7月19日に栄光のトロフィーを掲げているのは蒼き侍たちかもしれない」と2年後のワールドカップで日本が優勝することも不可能ではないと言及した。

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