デ・ケテラエル、オペンダ、ヌサ 次々と若手有望株を5大リーグへ送り出すクラブ・ブルージュのスカウト力と育成力の凄さ

今季のクラブ・ブルージュはCLでも奮闘している photo/Getty Images

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育成に加え、国内リーグでも成績を残す

21日に行われたチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第7節でユヴェントス相手にスコアレスドローに持ち込み、勝ち点1を加えたベルギーの名門クラブ・ブルージュ。ここまで3勝2分2敗と充実の成績を残しており、リーグフェーズ20位につけている。

クラブ・ブルージュの見事なところは、若手有望株を欧州トップリーグのクラブへ売却していくモデルを継続しつつ、結果も出している点にある。今季は国内リーグでも2位につけており、名門として確かな成績を残し続けている。

伊『Gazzetta dello Sport』は、世界中のタレントに目をつけるスカウティング力がずば抜けていると評価する。自前のアカデミーでの育成力も見事だが、それに加えてクラブ・ブルージュの場合は他クラブで成長途上にある若手有望株をスカウトするのが上手いのだ。
例えば現在アタランタでプレイするDFオディロン・コスヌだ。クラブ・ブルージュは2019年にスウェーデンのハンマルビーから385万ユーロでコスヌを獲得し、2年後にレヴァークーゼンへ2300万ユーロで売却している。現在は怪我で離脱中だが、24歳のコスヌはフィジカル能力に優れた実力あるセンターバックだ。

同じくアタランタに所属するベルギー代表FWチャールズ・デ・ケテラエルもクラブ・ブルージュ出身の選手だ。デ・ケテラエルの場合はクラブ・ブルージュのアカデミーで育っているが、2022年に3750万ユーロの移籍金でミランへ。ミランでは結果が出なかったが、その後移籍したアタランタでは見事な活躍を披露している。

同じ2022年には、クラブ・ブルージュのアカデミーで育ったベルギー代表FWロイス・オペンダをフランスのRCランスに1600万ユーロで売却している。現在はドイツのライプツィヒでエースとして活躍しており、デ・ケテラエルと共に今後のベルギー代表をリードしていくべきアタッカーへと成長している。

2023年には、コートジボワールのSOAから20万ユーロで獲得したDFアバカル・シラをフランスのストラスブールへ2000万ユーロで売却。コスヌと同じくコートジボワール代表でプレイする22歳のセンターバックで、ストラスブールでも出番を確保している。

さらにオランダ代表FWノア・ラングをPSVへと1250万ユーロで売却。ラングはオランダの名門アヤックスで育った逸材だが、本格的にブレイクしたのはクラブ・ブルージュに移籍した2020年からだ。ベルギー国内で3シーズンきっちりと結果を出し、PSVへ羽ばたいている。

売却金は730万ユーロとあまり高くないが、昨年1月にはカナダ代表の快速MFタジョン・ブキャナンをインテルへと売却。ブキャナンは2022年にアメリカ・MLSのニューイングランド・レボリューションからクラブ・ブルージュに加わった選手で、こちらもベルギー国内で結果を出したところからインテルへとステップアップした。

2024年は夏にもノルウェー代表期待のFWアントニオ・ヌサをライプツィヒへ2100万ユーロで売却。ヌサは2021年にノルウェーのスターベクから570万ユーロでクラブ・ブルージュに加わっており、ノルウェーのネイマールと呼ばれるなどサイドからの仕掛けを得意とするウイングだ。まだ19歳と若い選手だが、クラブ・ブルージュでの成長速度もかなり速かった。その逸材を早い段階で見つけていたクラブ・ブルージュの目利きも見事と言える。

今冬には、25歳のデンマーク代表FWアンドレアス・スコフ・オルセンをドイツのヴォルフスブルクへ1400万ユーロで売却。オルセンは2022年にイタリアのボローニャから640万ユーロでクラブ・ブルージュ入りしているが、セリエAでは思うような結果を残せなかった。

それがクラブ・ブルージュでは昨季リーグ戦で14ゴール4アシスト、今季も前半戦だけで8ゴール4アシストと結果を出し、もう一度欧州5大リーグへチャレンジする運びとなった。まだブンデスリーガで通用するかは分からないが、クラブ・ブルージュで残していた数字は見事だ。クラブ・ブルージュがオルセンの才能を引き出したとも言うことができる。

今のチームにも楽しみな逸材はいる。2023年に加わった20歳のエクアドル代表DFホルヘ・オルドニェス、昨夏にドイツ2部のデュッセルドルフから加わった22歳のギリシャ代表FWクリストス・ツォリスだ。

オルドニェスは188cmのサイズを誇るセンターバックで、近年何かと若手が話題なエクアドルから出てきた逸材だ。すでにA代表でも4キャップを記録していて、クラブ・ブルージュからのステップアップは近いか。

ツォリスはまだクラブ・ブルージュで満足な結果を残せていないが、昨季はブンデスリーガ2部で22ゴール6アシストの成績を残している。クラブ・ブルージュで結果を出し、目指すは5大リーグだ。

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