なぜマルムシュはいきなり大ブレイクしたのか フランクフルトで開花した“ストリート風”な才能「ルーニーの面影を感じさせる」

フランクフルトからマンCへ移籍するマルムシュ photo/Getty Images

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今季前半戦で一気にワールドクラスとの評価に

23日、マンチェスター・シティはフランクフルトからFWオマル・マルムシュの獲得を発表した。今季の活躍ぶりを見れば、マンCのようなメガクラブがマルムシュ獲得へ動くのも当然だ。

ただ、サッカーファンの中には驚いている人も多いだろう。今季開幕前の時点で、マルムシュは特に絶賛されている選手でもなかったからだ。

マルムシュは2020年よりヴォルフスブルクのトップチームに在籍してきたが、そこからザンクトパウリ、シュツットガルトとレンタル移籍を続け、2023年にフリーでフランクフルトへと移籍している。各クラブでの成績も特に印象的なものではなく、ヴォルフスブルクでは48戦6ゴール、シュツットガルトでは21戦3ゴール、ザンクトパウリではブンデスリーガ2部で21戦7ゴールの成績を残しただけだ。
それが今季は前半戦だけで全コンペティション合わせて20ゴール14アシストの大暴れで、一気にワールドクラスのアタッカーとして有名になった。

『ESPN』でドイツサッカーを担当するコンスタンティン・エックナー記者は、各クラブの指揮官がマルムシュの活かし方を分かっていなかったと解説する。

「彼は常に特別な才能の持ち主と見られていたが、それを磨く必要はあった。彼のプレイはストリートスタイルなところがあり、各クラブの指揮官は彼をチームにどう組み込むか苦労してきたのだ」

フランクフルトでは前線で自由が与えられているが、他のクラブではそういうわけでもなかった。ヴォルフスブルクでプレイしていた2023年のボーフム戦では後半開始からピッチに入ったものの、当時の指揮官ニコ・コバチがマルムシュの守備貢献度を問題視して僅か20分で交代させた一幕もあった。

しかし今季の活躍ぶりを見れば、やはり才能は本物だったのだろう。同メディアのエド・ダブ記者は前線で何でもこなせるところから、マンチェスター・ユナイテッドで活躍したウェイン・ルーニーと重ねている。

「同じエジプト代表選手ということもあり、モハメド・サラーとの比較は避けられないだろう。しかし、マルムシュのスペースや時間を認識する能力、バランス感覚、足腰の強さ、スピードに乗った状態でもボールを扱う能力には、ルーニーの面影を感じさせる」

24歳で臨んだ今季は一気に才能が開花することになり、7500万ユーロの移籍金でマンCに引き抜かれることになった。サッカー選手はクラブ、監督との相性が極めて大事であり、マルムシュのケースはそれを象徴するものと言えよう。

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