もう一度なでしこジャパンを世界の頂点へ “新たな夜明け”に海外も注目「2011W杯を制した時、このまま繁栄を続けるとの予想もあったが……」
なでしこジャパンはニルス・ニールセンを招聘した photo/Getty Images
近年は世界がかなり力をつけてきている
女子サッカー界はここ数年で大幅な進化を見せており、強豪アメリカに加えて欧州の各国が急速に力をつけてきた。なでしこジャパンは、その進化スピードから少し遅れたと言えるのかもしれない。
2023年のワールドカップではグループステージでスペインを4-0で撃破するなどハイレベルなパフォーマンスを見せた一方で、準々決勝ではスウェーデンの堅守を崩せず1-2で敗れた。昨年のパリ五輪もベスト8で敗退となっていて、これより上に進むにはさらなるレベルアップが必要だ。
ここから日本の女子サッカーは進化していけるのか。現状に注目したのは英『The Guardian』だ。なでしこは2011年にワールドカップを制しており、その成績から考えれば現在の成績は納得のいくものではないと同メディアは主張する。
「2011年の夏にドイツの夜空にW杯のトロフィーを掲げた時、日本の女子サッカーはこのまま繁栄を続けるだろうとの予想もあった。しかし、あの時と同じレベルの成功を再現することは出来ていない。それでも新たな夜明けへ希望は湧いてきている。なでしこはマンチェスター・シティWFCのディレクターなどを務めてきたデンマーク人監督のニルス・ニールセンを招聘しており、ニールセンにはなでしこを再び世界の頂点へ導く期待がかかっている。なでしこにとっては、初の外国人監督となる記念すべき瞬間なのだ」
同メディアは、2015年以降のW杯と五輪の両方でベスト8を突破できていない現状について、日本のタレント力を考えてもかなり期待はずれな結果と指摘している。タレント力はあると評価されているため、それをデンマーク女子代表、スイス女子代表監督を担当してきたニールセンがどう変えていくのか注目しているのだ。
ニールセン監督も日本からのオファーには前向きだったようで、就任へ迷いはなかったと語っている。目指すはW杯、五輪制覇で、そのためにチームを攻撃的に強化していく考えだ。
「オファーを受けた時、これが自分のやりたい仕事なのだと感じた。デンマークにいた頃はアルガルヴェ杯で日本と何度か対戦し、そこで初めて佐々木則夫監督に会った。彼は女子サッカー界における伝説的な人物であり、そのような人物と一緒に働けるチャンスはそうそうあるものではない。我々(なでしこ)が設定した目標を遠回しに言うつもりはない。我々はメジャートーナメントで優勝することを目指す」
最近の欧米諸国はテクニック面がかなり向上し、加えてフィジカル能力が高い。スピード、高さ、パワーといった部分でなでしこを上回ってくるものがあり、そうした相手に勝っていくうえで激しいデュエルや少ないチャンスを活かす得点力は欠かせない。
果たしてなでしこジャパンにとって初の外国人監督招聘がどのような結果に繋がるのか。海外でプレイする選手も増えるなど興味深いタレントは揃っているため、チームがどう変わっていくのか楽しみだ。
※大会成績に誤りがありました。スペイン戦の勝利は2023年W杯グループステージでした。訂正し、お詫びいたします。