2026年の北中米大会は暑さにも用心? 会場のほとんどで「危険な暑さ」となる可能性と警告

暑さが懸念される2026年のワールドカップ photo/Getty Images

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1994年大会でも問題になったアメリカの気候

2026年に北中米で開催されるFIFAワールドカップだが、この大会では特に暑さが懸念されているようだ。

イギリス『BBC』はベルファストのクイーンズ大学が主導した研究を紹介。過去20年間の気象データを用いて、開催地のスタジアムが夏にどれだけ暑くなるかを、暑さと湿度を組み合わせた熱ストレスの指標である「湿球黒球温度」(WBGT)を用いて紹介。開催される4つの都市では、WBGTがより危険な基準値である32℃に達する可能性があると指摘している。

特にダラス、ヒューストン、マイアミでは、6月と7月の日中の80%以上が28℃を超えていることから、気候科学者のドーナル・マラン博士は『BBC』に対し「ほとんどの場所では早朝か夕方遅くが最適だろう。もしも私がFIFAにメッセージを伝えるとしたら、正午から午後6時までの時間を避けるように言うだろう。そうすれば、酷暑のリスクを大幅に減らすことができる」と語っていた。
開催地によっては暑さとの戦いを強いられるワールドカップ。特に1994年のアメリカ大会は当時初めて欧州、南米以外で開催された大会となり、欧州のテレビ視聴者に合わせて昼間に多くの試合を行ったことで、多くの選手が炎天下の中で試合を行う過酷な大会となった。近年ではFIFAも様々な暑さ対策を講じてきており、2014年ブラジル大会からは32℃以上の気象下では給水タイムが認められ、2022年のカタール大会では気温が50度に達することもあるため、開催時期を6月、7月から11月、12月に変更された。

報告書によれば、2026年大会では「一部のサッカー統括団体が試合の遅延や延期を推奨するレベル」であるという。またマラン博士によれば、最も暑い開催都市であるダラスとヒューストンの会場にはエアコンがあるが、午後に試合が行われれば観客にもリスクがあるという。「彼らは猛暑の中戻ることになるので、選手や審判員だけでなく観客にも危険がある」と警告した。

来年の大会は移動距離なども問題になっていることから、コンディション面は特に用心する必要がありそうだ。

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