劇的ゴールでナポリ戦を引き分けに持ち込んだローマ 首位チーム相手にも、主力を温存する選択が、ラニエリ監督の名将たる所以か?

総力戦でナポリと対等に渡り合ったローマ・ラニエリ監督 photo/Getty Images

ローテーションを優先

ローマのクラウディオ・ラニエリ監督が、首位ナポリ戦で主力を温存した理由について明かした。

ローマは、日本時間2月3日に、セリエAで首位を走るナポリと対戦した。ラニエリ監督は、強豪チームと戦うにも関わらず、パウロ・ディバラやレアンドロ・パレデス、アルテム・ドフビクなどの主力メンバーをベンチに座らせ、ローテーションを優先させた。

試合はナポリが、29分に先制点を奪い優位に進める展開に。その得点は元ローマ所属のレオナルド・スピナッツォーラが、巧みなループシュートで得点を記録した。一方、ローマはリードを許しながらも、強豪のナポリ相手に一歩も引かず、ボール支配率やシュート数では相手を上回るパフォーマンスを見せた。攻守に粘り強く、65分を過ぎた頃から、段階的にベンチスタートだった主力を投入し、勢いを落とさないようキープすると、後半アディショナルタイムにアンヘリーノの見事なボレーが決まり、引き分けに持ち込んだ。

試合後のインタビューでラニエリ監督は、主力を温存した理由について、こう語った。

「木曜の夜にヨーロッパリーグの試合をしたが、同じ選手を使うことはできない。そうしないと選手たちは疲れ切ってしまう。私は選手全員に全幅の信頼を置いている。当然、多くの選手交代でチームの仕組みは同じにはならないし、トレーニングでそれを改善するための時間もあまりないが、リフレッシュさせるために6人の選手交代をするのは正しいことだと思われた」

このラニエリ監督の決定は、ローマがセリエAよりもヨーロッパリーグやコッパ・イタリアを焦点に当てていることを意味するようにも思われる。それについて同監督は「我々は1試合ずつ頑張っていかなければならない。この大会やあの大会を狙っていると言ってファンを騙すわけにはいかない。我々がファンに約束できるのは、毎試合ベストを尽くすということだけだ」と述べた。

首位相手ともなれば、何としても主力メンバーで対抗したい気持ちが先立ちそうなものだ。だがそれを冷静に、シーズン全体を大局的に判断できるところが名将たる所以なのかもしれない。

ローマの次戦は、日本時間2月6日に行われるコッパ・イタリア準決勝のミラン戦だ。彼らがどんな戦いを見せてくれるか注目だ。

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