リベリ、マルーダ、アンリらがいながら空中分解 屈辱味わった2010W杯の記憶にアネルカは「W杯前から去りたいと思っていた」

2010W杯を共に戦ったリベリ(左)とアネルカ(右) photo/Getty Images

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1勝もできずに大会を終えた

近年のフランス代表はメジャートーナメントで確かな結果を残しているが、過去には内部崩壊するケースもあった。今も屈辱の記憶として残るのは、前回ファイナリストとして臨んだ2010年・南アフリカ大会だ。

レイモン・ドメネク率いるフランスはまさに最悪の状態にあり、この大会では1勝も挙げられなかった。当時の主力メンバーの1人であり、チェルシーなどで活躍したFWニコラ・アネルカは大会前からチームを離れたいと思っていたと当時を振り返る。

「ワールドカップが始まる前から去りたいと思っていたんだ。チュニジアでトレーニングしていた頃から、最前線で起用すれば満足にボールに触れないだろうと分かっていた。辞めたかったけど、みんなに説得された」
「私は純粋な9番タイプではないし、それはドメネクにも伝えていた。あの時センターフォワードでプレイしたがる選手はほとんどいなかったよ。戦術的に良くなかった。アンリは最高の9番だったが、なぜ変えたのか」『(仏『Foot365』より)。

当時アンリはすでにベテランとなっていて、ドメネク体制では思うように結果が出ていなかった。結果的にグループ初戦のウルグアイ戦よりドメネクはアンリをスタメンから外し、前線は右にシドニー・ゴブ、左にフランク・リベリ、そして最前線にアネルカを起用している。

第2戦のメキシコ戦も最前線はアネルカが起用されているが、結果は0-2の完全敗北だ。第3戦の南アフリカ戦ではジブリル・シセを最前線に置いたが、結果は1-2で敗北。フランスは1分2敗で姿を消すことになり、ドメネクにもかなりの批判が集まった。

今と比較すると、タレント力が少々物足りなかったところはあるかもしれない。2006年大会からジネディーヌ・ジダンが去り、世代交代の時にあった。リベリなど個性の強いタレントもおり、チームとして1つにまとまれないまま空中分解してしまった。フランスにとっては振り返りたくもない大会だろう。

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