バイエルンで公式戦デビューを果たした伊藤洋輝 今後は左SBでの起用が濃厚

バイエルン・ミュンヘンの伊藤洋輝 photo/Getty Images

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長期離脱からついに実戦復帰

バイエルン・ミュンヘンの伊藤洋輝は、12日(現地時間)に行われたセルティックとのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント・プレイオフ1stレグで78分から途中出場し、同クラブでの公式戦デビューを果たした。

伊藤は今シーズン開幕前にシュツットガルトから完全移籍でバイエルンに加入したが、プレシーズンマッチでの右足中足骨骨折の影響で長期離脱を強いられていた。それだけにセルティック戦での途中出場は待ちに待った瞬間であり、伊藤自身も公式インスタグラムの中で「また一つ子供の頃からの夢が叶いました」とビッグクラブで新たな一歩を踏み出した喜びを綴っている。

ところで、当初伊藤の公式戦デビューは28日のブンデスリーガ第24節シュツットガルト戦が予定されていたが、それよりも2週間以上前倒しでの実戦復帰となった。このことは、伊藤の怪我の回復具合が予想以上に早かったことも理由の一つだが、それに加えてバイエルンが左サイドバックの人材難に悩まされているというチーム事情も関係していると見られる。
バイエルンではカナダ代表DFアルフォンソ・デイヴィスがその圧倒的なスピードを武器に不動の左サイドバックとして活躍してきたが、同選手は1月22日に行われたCLリーグフェーズ第7節フェイエノールト戦で左太腿裏(ハムストリング)を負傷し、戦線を離脱している。

さらに、最近ではデイヴィスの代わりにポルトガル代表MFラファエル・ゲレイロが左サイドバックとして起用されているが、同選手は守備に難がある。デイヴィスが負傷したフェイエノールト戦に途中出場したゲレイロは、不用意なファウルから相手にペナルティキックを与えてしまい、試合を決定づける2失点目を招いた戦犯として厳しく現地メディアから批判された。また、12日のセルティック戦でも守備の不安定さが目立ち、ドイツ紙『Bild』は「またしても守備においてチームの弱点になっていた」という厳しい寸評とともに6段階評価(1が最高、6が最低)でゲレイロをチーム最低の5点と採点している。

こうした状況に加えてレヴァークーゼン戦(15日)、セルティックとのプレイオフ2ndレグ(18日)、フランクフルト戦(23日)というバイエルンの今後のスケジュールを考えると、先発ではなくても左サイドの守備固めが必要な場面でヴァンサン・コンパニ監督が伊藤を起用する可能性は十分にある。その意味では、2月はチームだけでなく伊藤にとっても今後を左右する大事な時期になりそうだ。

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