「我々はRB」「第3の立ち位置を構築」 劇的勝利で白星発進の新生・大宮、今季J2で“RB旋風”を巻き起こす!?

劇的勝利で白星発進を決めた新生・大宮 photo/Getty Images

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開幕戦はとにかく「白星」が大事

明治安田Jリーグの2025年シーズンがついに開幕した。そんな中、今季J2へ復帰を果たしたRB大宮アルディージャは15日、昨季あとわずかのところでJ1昇格を逃してしまったモンテディオ山形をホームへ迎え入れた。

レッドブルグループの傘下となり、新たな船出を切った大宮。レッドブルミニの先導で選手を乗せたチームバスがスタジアム入りするなど、試合前から大きな盛り上がりを見せた。また、同グループでグローバルサッカー部門の責任者を務めるユルゲン・クロップ氏(前リヴァプール監督)や、テクニカルダイレクターを務めるマリオ・ゴメス氏(元ドイツ代表FW)がこの試合を視察。こういったこともあり、この日の来場者数は「13,418名」で、NACK5スタジアム大宮でのJ2入場者数過去最多を記録したという。

試合は、そんなファン・サポーターの熱が選手たちにも通じたのか、立ち上がりから球際で激しい競り合いをみせる。そして、両チームがいくつか決定機を迎える中、センターフォワードに入ったファビアン・ゴンザレスが前半のうちに負傷交代するなど、大宮はアクシデントに見舞われる。ただ、前半をスコアレスで折り返すと、後半に得意のセットプレイから均衡を破ってみせた。
52分、大宮は立て続けに左CKのチャンスを得る。MF泉柊椰がキッカーを務めたインスイングのCKは、山形の身体を張った守備に防がれてしまった。しかし、続くMF小島幹敏がキッカーを務めたアウトスイングのCKでは、中央へ走り込んだDF濱田水輝が少し下がりながらの難しいヘディングではあったが、うまく合わせる。逆サイドに流してゴールネットを揺らした。

その後、66分にMF土居聖真の同点ゴールで試合を振り出しに戻されてしまった大宮。1-1のドローで試合を終えるかと思われたが、6分と表示された後半ATのラストプレイにドラマが待っていた。再び左CKのチャンスから、MF谷内田哲平のクロスに対して、ファーサイドへ走り込んだDF浦上仁騎が身体を投げ出しながら合わせる。これは惜しくも相手GKのセーブに阻まれたが、このこぼれ球をFW藤井一志が押し込み、勝ち越しに成功。試合はこのまま終了し、大宮が山形を相手にホームで2-1の勝利を収めた。

試合後、記者会見に出席した大宮の長澤徹監督は開幕戦を次のように振り返った。

「まず13,400人ちょっとのサポーターの方が集まってくれて……昨シーズンからそうなんですけど、本当に(サポーターの方に)勝たせてもらったゲームだと思います。ありがとうございます」

「試合の方は、今日各地で開幕戦をやっていると思うんですけど、『ザ・開幕戦』という形で、少し硬かったかなと思います。やっているうちに徐々に落ち着いてきて、前半にひとつヘディングで叩かれた部分があったんですけど、それ以外はソリッドに進められていた。粘り強くいけば何か起こるかなと思っていました」

「開幕戦なのでセットプレイを非常に重要視していた。このNACK5でやるときは、かなり(セットプレイの)アドバンテージを持っていると思っている。これは昨シーズン、厳しいJ3の中でで手に入れたもの。しっかりレスポンスできた選手は褒めてやりたいと思います」

「そこ(CKによる先制点)から、しっかりゲームを進めながら2つ目(のゴール)という戦い方だったんですけど、決定機とか、ファイナルプレイで『あれ?』というプレイがけっこうあった。マサト(小島幹敏)が(PA内まで)入っていったプレイなど、(ゴールを)少し逃していたプレイがあったのでちょっとヤバいかなと思っていたら、やはり山形さんは素晴らしいチームなので流れの裏側でしっかり得点を決められた。どちらに転んでもおかしくないゲームだった」

「ここからリーグ戦の2試合目に入っていくので、しっかりと反省する部分は反省して、ただ自分たちの立ち位置はしっかり決まっている。ボールを持ってポゼッションしまくるわけでもなく、どん引きしてカウンターを狙うわけでもなく、我々は『RB』なので、ボールを奪いにいって、必要であれば早く攻めるし、必要であればしっかりボールを握るという『第3の立ち位置』としてしっかり構築していくこと。今日はしっかり立ち位置を確認できたので、自分たちのスタイルでしっかり進んでいきたいと思います」

「開幕戦ということに加えて、クラスチェンジして上がってきたので、白星がすごく大事だった。いろんなことがあっても、リーグが進んでいく上で5試合ぐらい白星がないと、当然別の戦い方になってしまう。リーグ全体を通して、まずは開幕戦の結果が大事だと思っていた。もちろん、内容もつけば最高なんですけど、山形さんも素晴らしいチームなのでそうはいかなかった。そういう意味では、しっかり白星を取れたということで、前進できる内容だったのかなと思います」

「今持っている力の部分では、インターセプトとか、ルーズボールのところとか、姿勢が非常によかったと思う。これをベースに戦っていくことはもう決めている。ただ、これが全然MAXではない。今持っている力の中ではしっかり出してくれたと思います」

難敵・山形を相手に劇的な勝利を収め、白星発進を決めた大宮。J2復帰1年目ではあるが、この勢いで“RB旋風”を巻き起こせるか。







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