[名良橋晃]2025Jリーグ開幕 名良橋晃が注目する期待の7名を紹介!

大関&中島は古巣に復帰 中野は代表入りの力を持つ

大関&中島は古巣に復帰 中野は代表入りの力を持つ

川崎に復帰した大関。2023年夏のバイエルン戦では橘田に代わって出場した photo/Getty Images

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14日の大阪ダービーを皮切りに、Jリーグが開幕しました。各選手にとってどんな1年になるのか……。今回は飛躍が期待される選手、個人的に注目する選手7名を紹介します。

大関友翔は川崎のアカデミー育ちで、昨年はレンタル先のJ3福島でプレイしました。中盤で“違い”を作れる選手で、狭いスペースを打開する技術力があり、正確なラストパスも出せます。プレースキックの精度も高いし、自分でゴールもできます。福島でしっかりと結果を出してJ3ベストイレブンに選出され、満を持して川崎に帰ってきました。

昨年8位だった川崎を長谷部茂利監督がどう変えるのか。そうしたチームのなかで、大関友翔が中盤でどれだけレギュラー争いに加われるか。今冬に海外移籍の話題があった日本代表の高井幸大と同期であり、刺激を受けていると思います。J1でも昨年同様に“違い”を見せることができるかとても楽しみです。
中野就斗は2022年に桐蔭横浜大学から広島へ加入し、2年目だった昨年に大きく飛躍しました。いまでは日本代表入りも見えています。2月8日に開催された富士フイルムスーパー杯では先制点をアシストし、ロングスローという武器も披露しました。ダイナミックで縦への推進力があり、右のウイングバックだけでなく最終ラインでもプレイできます。

現在、日本代表は3バックで戦っています。ウイングバック、最終ラインのどちらでも機能する中野就斗は、いつ呼ばれてもおかしくなく、代表入りのチャンスがあります。W杯予選は3月に2試合があり、ここで出場権を獲得する可能性が高いです。その後に森保一監督がどう判断するかですが、個人的には代表入りしてほしい選手です。ちなみに、弟の中野力瑠もJ3の群馬でプレイしている兄弟Jリーガーでもあります。

中島元彦はレンタル先の仙台からC大阪に復帰しました。もともとC大阪のアカデミー出身で、大関友翔と同じく満を持して古巣に戻った形です。キックの質が高く、ブレ球のフリーキックを持っていてプレースキックでチャンスを作ることができます。ミドルシュートという武器もあります。アーサー・パパス新監督のもと激しい出場争いがあると思いますが、レギュラーポジションをつかみ取る力が十分にあります。

昨年は仙台をプレイオフに導く活躍でJ2の優秀選手賞を受賞しています。アカデミーから巣立ち、あれよ、あれよと年月が経ってついに古巣へ復帰しました。中島元彦には満開の桜を咲かせてほしいです。

木村は“ファジの魂” 武田&豊川は新天地へ

木村は“ファジの魂” 武田&豊川は新天地へ

がむしゃらにプレイする豊川(左)はムードメイカーでもある photo/Getty Images

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 J1初挑戦となる岡山からは、木村太哉をぜひみなさんに紹介したいです。太哉と書いてタカヤと読む“ファジの魂”で、攻守に献身的でとにかく諦めずに最後まで足を動かして戦います。気持ちが全面に出ているタイプで、心を引きつけられます。

おもにシャドーでプレイし、頑張るだけではなくドリブルで“違い”を作れます。状況を打開する力があり、運動量が多いのに加えてプレイの質も高い。昨年は第1節栃木戦でファーストゴールを決めています。ムードメイカーでもある木村太哉が得点すると、チーム全体が盛り上がります。このコラムが公開されるころには結果が出ていますが、J1でもファーストゴールを決めているかも……。

J2ではまず、武田英寿に注目しています。浦和から出身地である仙台に移籍しましたが、完全移籍というところに覚悟を感じます。青森山田高校の出身であり、強度高くプレイできます。森山佳郎監督が率いるいまの仙台のスタイルにマッチすると思います。今年も[4-4-2]で戦うと考えられますが、ボランチを務めることになるでしょう。

左利きで正確なプレースキックが蹴れるので、セットプレイではキッカーを務めることになります。昨年は第19節鹿島で難しい角度、長い距離のFKを決めています。FKのチャンスをつかんだときは、武田英寿から目を離せません。

 同じく完全移籍で京都から大宮に加入したのが、豊川雄太です。経験、実績ともに十分で、長澤徹監督とは過去に岡山で監督、選手として一緒に戦っており、お互いを知っている関係です。とにかく頑張ることができるタイプで、1トップでもシャドーでもプレイできます。攻撃、守備どちらもガムシャラにやってくれる選手で、引き出しが多い。

 高卒で鹿島に入ってから、オイペン(ベルギー)など複数のクラブを渡り歩いて経験を積んできました。昔から人懐っこく、ムードメイカー的なところもあります。30歳になりましたが、豊川雄太はまだまだできる選手です。

 J3ではFC大阪の和田育に注目しています。昨年は沼津でプレイし、チーム最多の11得点しています。名フォワードだったゴンさん(中山雅史監督)からいろいろと学び、今季は地元である大阪に戻りました。スピードがあって裏へ抜けることができる和田育が2年連続で二桁得点できたなら、FC大阪は今年も上位で戦うことになるでしょう。多くの選手が入れ替わったなか、既存の選手と和田育など新加入選手がいかに融合するかがFC大阪にとってカギになると思います。

構成/飯塚 健司

※ザ・ワールド2025年3月号、2月15日配信の記事より転載

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