「今のサッカーはポジショナルではない」 ペップ監督は解決策を見つけつつある? 新加入マルムシュとニコがシティの救世主である理由
ペップ監督は光明を見つけたか photo/Getty Images
来季のCL出場権を確保できるか
プレミアリーグ4連覇、そしてCL優勝と昨季までのシティは栄光の時を過ごしていたが、24-25シーズンではそれが一変した。2024年度のバロンドール受賞者であるロドリを含む複数人の重要人物を負傷で欠き、プレミアでは首位のリヴァプールに17ポイント差を付けられ、CLではプレイオフで姿を消している。
『BBC』では今季のシティの不調を分析し、ペップ・グアルディオラ監督の戦術が機能しなくなった理由を解説している。
ペップのシティでのサッカーといえば後方から積極的につなぎ、守備時は敵陣深くからハイプレスを行って相手からボールを取り上げる強気なものだったが、今季は攻守両面でどちらも機能していない。
ビルドアップでは相手のハイプレスをかわせずミスを連発し、こちらの前線からのハイプレスには連動性がなく、CLレアル・マドリード戦では簡単に相手の前進を許してしまっていた。
ペップ監督はこの敗戦を受け、プレミアで存在感を放っているボーンマスとブライトンを引き合いに出し、「今のサッカーはポジショナルではない。リズムに乗らなければならない」とポジショナルプレーの創始者とは思えないコメントを残している。
同メディアはペップ監督がすでに解決策を見つけたと主張しており、それが4-0の快勝を飾ったニューカッスル戦だ。新加入オマル・マルムシュのハットトリックで早々に試合を決め、今季の不調を感じさせないパフォーマンスを披露したゲームだ。
このゲームの特徴はやはり後方からのロングボールの多さだろう。ニューカッスル戦では39本のロングパスを成功させ、これは今季で4番目に多い数字だという。アーリング・ハーランド加入後から前線へのロングパスは増えており、裏抜けを得意とするマルムシュの加入で、さらに増加を見せた。高精度のパスを供給できるGKエデルソンはこの試合でアシストを記録している。
ロングボールの多用で、相手のハイプレスを空転させることに成功しており、同じく新加入のニコ・ゴンザレスは高いリカバリーを記録してセカンドボールの回収に貢献している。
今季はロドリの不在で中盤でのセカンドボール争いに苦戦していたシティだが、元バルセロナのニコは屈強なMFであり、同じくフィジカルに長けたニューカッスルMF陣相手に存在感を発揮していた。イルカイ・ギュンドアンら既存のMFでは難しかったが、ペップ監督からミニ・ロドリと呼ばれているニコの加入で中盤も息を吹き返し始めている。
あとは前線からのハイプレスが改善されれば、以前のシティに戻る可能性も高まるが、ここでハーランドの負傷が大きく響いてくる。ニューカッスル戦で負傷した同選手はレアルとの第2戦を欠場しており、リヴァプール戦の出場も現時点では怪しい。そうなると最前線にマルムシュが配置されるのだが、ペップ監督はリーグで首位を走るリヴァプールにどのように立ち向かうのだろうか。