“ツイてない男”からラッキーボーイへ 2戦連続決勝弾の藤井一志「目標は15ゴール」

2戦連続で決勝点を叩き出した藤井 Photo/Getty Images

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今年はツキが回ってきた

前半13分、ほぼ満員のNACK5スタジアムが沸きあがる。ゴール前にこぼれたボールに反応したのはFW藤井一志だ。味方がフリックしたボールが来ることを信じて詰め、左足で叩き込んだ。明治安田J2リーグ第2節、RB大宮と甲府の試合はこのゴールが決勝点となり、昇格組のRB大宮は開幕2連勝を飾った。

「去年は、ツイてなかったんですけど」。そう言って人懐こい笑顔を見せる。クラブ公式ページのプロフィールにも「最近の悩み:ついていないこと」とある。しかし開幕戦でファビアン・ゴンザレスが負傷したことにより出場機会をつかむと、開幕戦ではアディショナルタイムの劇的決勝ゴール。そして今回も2戦連続の決勝ゴールだ。「お祓いに行ったんで、その効果もあってか、目の前にこぼれてくることが多いです」と語ったように、ツキは確実に回ってきている。

器用なタイプではない。この試合でも後半に絶好のチャンスを外した。決勝点を決めたものの「あと一発いけたなという(気持ちの)方が、正直強いです」「初心者みたいな外し方しちゃった」と本人も振り返る。しかし、長澤徹監督もチャンスを外したことを笑い飛ばしつつ「一志は献身性と犠牲の人間なんで」と試合後の会見で語ったように、ゴールを決めることだけが藤井の魅力ではない。前線から激しくプレスに行ったり、押し込まれる厳しい時間帯にサイドに流れてボールを収めたり。チームのために尽くすことが、藤井の最大の強みだ。
ツイていない男からラッキーボーイへと変貌を遂げようとしている藤井。先発出場も昨年の夏以来となったが、いきなり結果がついてきた。目標は?とたずねると「15ゴールです。でももう一発決め切る力がないと、J2で簡単に15ゴールには到達しないんで、そこに尽きるなと思います」との答えが。新体制となったことでJ2のなかでもひときわ注目を集めるRB大宮だが、チームの“お守り”となるのはこの23歳なのかもしれない。


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