驚異的な資金力でスター選手をかき集めているサウジアラビア勢。その国内リーグでは、22日にアル・イテハドVSアル・ヒラルの重要な首位攻防戦が行われた。
この一戦は4-1でアル・イテハドが勝利を収めたが、凄いのは両チームの顔ぶれだ。
アル・イテハドは昨夏にローマからMFフセム・アワール、アヤックスからFWステーフェン・ベルフワイン、アストン・ヴィラからMFムサ・ディアビら実力者を補強しており、この3人は今回のアル・ヒラル戦でも揃って2列目のスタメンに入っている。ベルフワインは2ゴールを挙げる活躍で、このあたりはさすがと言うべきか。
さらにボランチにはエンゴロ・カンテとファビーニョ、センターバックの一角にはパリ・サンジェルマンなどでプレイしてきたダニーロ、GKにはセルビア代表として昨夏のEURO2024も戦っているプレドラグ・ライコビッチ、そして最前線にはカリム・ベンゼマだ。センターラインは全員助っ人で固められており、欧州トップリーグでも通用するであろう面子だ。
一方のアル・ヒラルはネイマールが去ったものの、それでもモロッコ代表GKヤシン・ブヌ、サイドバックにはポルトガル代表のジョアン・カンセロ、ブラジル人DFレナン・ロディ、センターバックにセネガル代表カリドゥ・クリバリ。中盤にはポルトガル代表MFルヴェン・ネヴェスが入り、2列目はブラジル人FWマウコム、セルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチ、サウジアラビア代表の主軸であるサーレム・アッ・ドーサリーもアジアでは知られた名手だ。
そして最前線にはベンフィカでもプレイしたブラジル人FWマルコス・レオナルドが入っており、レオナルドは今季サウジアラビアリーグで14ゴールを挙げるなど好調だ。
これはサウジアラビア国内リーグの戦いではあるが、肝心のサウジアラビア人選手は両チームとも3人ずつしかスタメンに入っていない。現状の流れがサウジアラビア代表チームの強化に繋がるかは微妙なところだが、これだけの助っ人を集めればプレイのクオリティ自体は高くなる。このゲームはスタジアムも大盛り上がりだったが、世界のサッカーファンの中にもこのクオリティならば見てみたいと考える人がいるはずだ。
近年のサウジアラビア国内リーグではアル・ヒラルが圧倒的な力を見せてきたが、今年はその状況にも変化がある。アル・ヒラルは年明けから勝ち点の取りこぼしが目立っており、現在サウジ・プロフェッショナルリーグは首位がアル・イテハド、それを7ポイント差でアル・ヒラルが追いかけている状況だ。こうした序列の変化もリーグを盛り上げる要素にはなるはずで、今後もスター同士のぶつかり合いは何かと話題を呼びそうだ。