那須川天心、元世界王者のモロニーを多彩なパンチで翻弄 判定勝利ながらも強さを証明

ボクシング転向後も無敗を継続中の那須川 photo/Getty Images

続きを見る

終始、優勢に試合を展開

WBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心が、元WBO世界同級王者ジェイソン・モロニーに3−0で判定勝利した。

勝ちを手にした那須川だったが、1ラウンドの立ち上がりこそ、タイミングよくパンチを繰り出してリズムを掴みかけるものの、このラウンドの中盤に隙を突かれ、モロニーのパンチを顔面に喰らって肝を冷やす場面もあった。

ただ危うくダウンとなりかけたが、類稀なボディバランスでギリギリ踏みとどまると、その後はフットワークを使って窮地を脱し、2ラウンド以降は、持ち前の格闘センスを発揮させた。那須川は巧みなパンチをモロニーのボディや顔面に当て、手数とヒット数で相手を上回った。
中盤には、モロニーが展開を変えるために接近戦に持ち込むと、那須川もそれに応戦。元王者のボクシング技術も流石で、那須川の顔面に強いパンチを何度もヒットさせるが、那須川も負けじとボディやアッパー、変則的なフックなど多彩なパンチを当て続ける。終盤は再び、那須川がスピードと軽快なフットワークでモロニーのボクシングを上回り、10ラウンドが終了。判定は二人のジャッジが97-93、一人が98-92で那須川を支持した。

試合後、リング上でインタビューを受けた那須川は「ほんとにモロニー選手が強くて。初めて効かされたというか。凄くいい経験をさせてもらいました。初めて打ち合いをして、一人前というか、男になれたかなと思います」と、強敵に競り勝った自身の成長ぶりを語った。

またその後、リング上にWBO同級王者の武居由樹が登場。那須川は「僕も世界チャンピオンになるんで、いつか必ず戦いましょう」と呼びかけると、武居もマイクを受け取り「自分も、延期した試合があり、やらなきゃいけないことがあるので、それをクリアして、またこのリングでやりましょう」と応じた。

元世界王者にも通用した那須川のボクシング。今年中にもタイトルマッチに挑戦するとの噂があるが、日本人ボクサーの強豪がひしめくバンタム級でどの団体のベルトを狙うのか、今後の展開が注目される。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.302 攻撃型MF新四天王

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:ALL SPORTS

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ