ゲイをカミングアウトしたデイビッド・クート氏、しかしLGBTコミュニティにとって逆効果!? SNSでは嘲笑の的に

先日ゲイであることをカミングアウトしたクート氏 Photo/Getty Images

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暴言と薬物使用で追放されたクート氏

昨年、元リヴァプール指揮官ユルゲン・クロップ氏への暴言、およびEURO2024大会中の薬物使用が明るみになり、イングランドの審判協会から追放されたデイビッド・クート氏。同氏は『THE Sun』のインタビューに応じ、記事の中で同性愛者であることをカミングアウト。生涯にわたる自身の性的指向との葛藤が、自分を誤った行為へと駆り立ててしまったことを告白した。

しかし、LGBTコミュニティにとっては、これは少々タイミングが悪かったのかもしれない。クート氏への支援の声とともに、SNSでは嘲笑の対象になってしまったと『METRO』は伝えている。

これに対し、同じく同性愛をカミングアウトしている元イングランド女子代表のリアン・サンダーソン氏は自らの考えを語った。SNSでの嘲笑を非難しながらも、クート氏のカミングアウトは逆効果をもたらしてしまったと同氏は語っている。
「(クート氏がカミングアウトしたタイミングは)私たちのコミュニティに逆効果をもたらしました。彼は「ゲイカード」を使っている(ゲイであることを言い訳に使っているとの意)というメッセージをたくさんの人から受け取りました」

「私のような人間は常に障壁を打ち破ろうとしていて、コミュニティや同じように感じている人々からメッセージをもらっています。私は有色人種の女性であり、ゲイである自分は十分に良い人間だと示そうとしているのですが、こうした状況はそれを少し妨げているように感じるのです」

サンダーソン氏はクート氏に対して同情を示しながらも、過ちを謝罪したことと同じタイミングでゲイをカミングアウトしたのは間違いだったと考えているようだ。あまりにもクート氏のイメージが悪くなっており、ゲイであることを言い訳にしていると感じる人もいる。2つのことは完全に別個であり、カミングアウトするのはもっと後まで待つべきだったと同氏は語った。

「2つのシナリオは完全に別のものです。カミングアウトしたいなら、それは皆の権利です。私は自分のコミュニティを熱烈に支持しています。私はイングランドの女子選手として初めてカミングアウトした一人で、おそらく世界でも最初の一人でしょう。このデイビッド・クート事件に関しては、彼に同情します。我々はみな間違いを犯すし、隠し事を抱えているものです」

「しかし性的側面と、彼がコカインを摂取してあのビデオを撮ったことは同じではありません。誰もが人生に問題を抱えていますが、悪い行いを容認するものではありません。彼は本当に、(自分の性的指向について)声をあげる必要があったのでしょうか。周りの人々はそれを待っていたのでしょうか。いなかったと思いますし、それが事態を悪化させてしまったと思います」

アメリカでドナルド・トランプ氏が再び大統領となったことも象徴的だが、LGBTコミュニティに対する逆風も強くなってきた昨今。クート氏のカミングアウトはやや軽率だったのかもしれない。

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