東京マラソン、週4スーパー勤務の苦労人ランナー市山翼が日本人トップでゴール 世界陸上出場の参加標準記録もクリアし、初の代表選出に望みをかける

市山は東京マラソン2025で日本人歴代9位の好タイムで快走 photo/Getty Images

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自己ベストを1分41秒も更新

3月2日に行われた東京マラソンで、週4日スーパーで勤務する苦労人ランナーが日本人トップでゴールする波乱を起こした。

そのランナーとは、都内や埼玉県などにスーパーマーケット「ベルクス」を展開するサンベルクスに所属する市山翼だ。このレースで彼は、先頭集団から離れた第3集団で安定した走りを見せ、30キロ以降にペースアップすると40キロ手前で日本人トップだった池田耀平を抜き去りそのままゴールテープを切った。タイムは自己ベストを1分41秒も更新する2時間6分0秒でフィニッシュ。誰も予想しないダークホースが驚きの走りを見せた。

その市山は、埼玉県出身の28歳。大宮東高から中央学院大に進学し、3年時には箱根駅伝で花の2区を任されるほどの実力者だった。2021年には、びわ湖毎日マラソンで自己記録の2時間7分41秒をマークし、2023年の別府大分マラソンでは日本人最上位の3位を飾るなど、マラソンでも好成績を残すと、2023年4月に、小森コーポレーションからサンベルクスに移籍。そのサンベルクスの陸上部は、現在、全日本実業団対抗駅伝で5年連続出場など近年の活躍が目覚ましく、パリ五輪男子20キロ競歩日本代表の浜西諒や、同競技世界陸上内定の吉川絢斗も所属している。
着実に力をつけてきた市山だったが、パリ五輪選考会のマラソングランドチャンピオンシップでは13位に終わり、これまで代表選出の経験はない。それでもベルクス草加青柳店グロサリー部の一員として、火、水、木、土と週4日、午前8時から午後1時まで5時間勤務した後、トレーニングする日々を過ごしてきた。

今回その努力が実った市山は、9月に東京・国立競技場で開催される世界選手権の参加標準記録をクリアし、代表入りの候補に残った。レース後には「世界陸上に出場できるのであれば、力を発揮したい」と意気込みと出場への希望を語った。

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