京口紘人、3階級制覇の夢破れる 不運なダウン判定もオラスクアガの戦術変更に対応できず判定負け

惜しくも3階級制覇達成には一歩届かなかった京口 photo/Getty Images

実力差は拮抗

13日、WBO世界フライ級タイトルマッチが行われ、王者アンソニー・オラスクアガが判定0-3で同級14位の挑戦者、京口紘人に勝利した。

序盤は、京口のリズムだった。この試合に入るまで9度の世界戦を戦ってきた熟練のパンチ技術が冴え渡り、左のカウンターやワンツーを王者の顔面やボディーにヒットさせた。対するオラスクアガも強打を振り回し、ガードの上からでも構わず京口に見舞うが、やはり京口の上手さにリズムを作れずに中盤を迎える。

すると王者が戦法を変える。距離を取り、ノーガードからノーモーションで鋭いジャブを繰り出し始め、京口の前進を困難にさせた。王者はその戦法をラウンド内に多く散りばめ、ポイントをうまく取ることに成功する。京口はそれでもなんとか好機を見極めて距離を詰めてパンチを当て続けていくが、オラスクアガの派手なパンチにジャッジも優勢と判断した。

そして試合が大きく動いたのは11回。オラスクアガのアッパーが顎と肩の間を擦り、カウンターで京口がパンチを放ったところその腕を振り抜いた勢いでバランスを崩し、リングに片膝をついてしまう。王者のパンチはダメージを与えていなかったに見えたがジャッジはこれをダウンとみなした。その後、会場のモニターにスローリプレイが映し出されると、会場から大きなブーイングが起こった。

完全に流れはオラスクアガへ。そのまま残り1回を両者は壮絶な打ち合いで戦い抜いた。

試合後、京口はリングから降りる際、何かを噛み締めるように数秒、観客席を見渡した。そして自身のSNSでは、心強いサポートをした妻とのツーショット写真を投稿。「亜希ちゃん心強いサポートありがとうございました。ベルト巻いた姿を見せられなくて悔しいけど無事リングから降りられて良かったよ」とのメッセージも綴った。

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