現代のサッカー界はロボットのような選手を育成している? 消える独創性を嘆く者も「プレイステーションのように戦っている」

マスカーラは好きな選手の1人にディバラを挙げた photo/Getty Images

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フィジカルの部分を優遇しすぎとの現場の声も

現代のサッカー界ではファンタジスタと呼べる選手が少なくなっており、フィジカル的に優れた選手が選ばれやすい傾向にある。指導者の1人としてその現状を嘆くのが、イタリア・ノヴァーラのU-19カテゴリーを指揮するジュゼッペ・マスカーラだ。

現役時代のマスカーラはカターニアやペスカーラなどで活躍し、1試合ながらイタリア代表でのプレイ経験もある。ポジションはFWで、魅せることもできるアタッカーだった。

現在は後進の指導にあたっているわけだが、マスカラは1対1の駆け引きを楽しむような選手が減ったと嘆く。
「サッカー界は1対1を重視するのではなく、ストップ&ゴーに移行している。個人的にはローマのソウレやウディネーゼのパフンディ、それにディバラも好きなんだけどね。今はサッカー界全体的に多くのチームがプレイステーションのように戦っている。やることがあらかじめ決まっているんだ。サッカースクールはフィジカルの優れた選手を優遇し、ロボットのような選手を育成している」

「私は指導するうえで、たとえドリブルでボールを持ち過ぎる選手がいても特に何も言わない。そのドリブルが成功すれば、試合に勝ちやすくなると考えるからね。ただし全体的に10番タイプの選手はますます少なくなってきている。選手には色々な役割が与えられ、それに息苦しさを感じる選手もいる」(『Gazzetta dello Sport』より)。

サッカーの進化を実現するうえでフィジカルの優れた選手が増えるのは自然な流れかもしれないが、独特なアイディアがサッカーから消えてしまうのは寂しいものがある。マスカーラは指導者として疑問も感じているようだが、今後の育成現場が変わっていくことはあるだろうか。

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