キーパス&ビッグチャンスクリエイト数は依然としてチームトップ シティは“デ・ブライネ依存”から抜け出せず

フィジカルは衰えても、アイデアは依然としてワールドクラスだ photo/Getty Images

世代交代を進められるか

冬の大型補強もあり、前半戦ほどの不調はみられないが、直近4シーズンを制した強さは失われているマンチェスター・シティ。攻守ともに安定感を欠いており、リーグ戦での失点数「40」はペップ・グアルディオラ監督が就任した16-17シーズン以降、ワーストの数字になっている。

攻撃面の迫力もなく、今季はリーグ戦29試合を消化して得点数は「55」。21-22シーズンからのアベレージが「90」だったシティとは思えない数字の低下だ。

この原因の1つはやはり、攻撃の中心人物であるケビン・デ・ブライネの不調なのだろうか。近年は満足にフルシーズンを戦うことができておらず、現在もプレイタイムを制限している。

しかし、『SofaScore』によると、チャンスクリエイトに関する数字はキーパス41回、ビッグチャンスクリエイト11回と両部門でデ・ブライネがチームトップであり、フィジカルの低下はみられるも、彼のアイデアは衰えていないことがわかる。

そうなると原因はデ・ブライネというよりも、彼以外から攻撃で怖さを見せられないところに理由があるだろう。

得点はアーリング・ハーランドに大きく依存しており、次のスコアラーはフィル・フォーデンの7ゴールだが、昨季プレミアMVPに輝いた姿は見る影もない。今季の序盤は燃え尽き症候群に悩まされていたとインタビューで語っており、その影響がまだ少なからずあるのかもしれない。

昨季のチーム内得点ランキングをみると、1位が27ゴールのハーランド、2位が19ゴールのフォーデン、3位が11ゴールのフリアン・アルバレス、4位が8ゴールのロドリと、どこからでも得点が取れるチームだった。

しかし、今季はハーランド、フォーデンに次ぐスコアラーが5ゴールのヨシュコ・グヴァルディオルであり、彼はSBの選手だ。もちろん彼が得点を取るのは問題ないが、彼よりもWGやトップ下など、攻撃的な選手に数字が求められる。

WGは過去の選手たちと比べ得点力が低下しており、ジェレミー・ドク、サビ―ニョ、ジャック・グリーリッシュの3人合わせて4ゴールしか挙げることができていない。

アタッキングサードでの攻略には未だデ・ブライネに大きく依存しており、攻撃力の低下がみられるシティ。ベルギー代表MFは近年の怪我の多発でコンディションが安定しておらず、もし契約延長し来季も攻撃面で彼に頼り切りとなれば再び苦しいシーズンになるだろう。再び離脱する可能性もあり、デ・ブライネからの脱却が今後の攻撃面でのテーマとなるか。

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