12月に井上と対戦が噂されるボールがドヘニーを圧倒 足蹴り、投げ飛ばしの反則もスピードとパワーを見せつけ圧巻のTKO勝ち 

スピードとパワーが並外れたWBA世界フェザー級王者ボール photo/Getty Images

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ドヘニーはまた棄権に追い込まれた

プロボクシングのWBA世界フェザー級タイトルマッチが日本時間16日、英リバプールで行われ、王者ニック・ボールが挑戦者TJ・ドヘニーを10回TKOで2度目の防衛に成功した。

王者のボールは、今年12月に井上尚弥のフェザー級初挑戦の対戦相手として有力視されているボクサーで、この勝利で23戦22勝13KOとなった。これまでフェザー級を主戦場として戦い、小柄ながらも鍛え抜かれた全身のバネから繰り出されるパワフルなパンチが持ち味だ。

一方、ドヘニーは、昨年9月に井上尚弥と対戦。井上のあまりに強いパンチの衝撃で腰を痛めてTKO負けを喫していた。今回、前日計量ではボールと乱闘騒ぎを引き起こし、因縁の勝負の行方が注目された。
試合は、王者が序盤から固いハイガードポジションからジャブと素早いワンツーでリズムを掴む。サウスポーのドヘニーはその圧力に距離を取り、空いたボディにヒットさせるもボールの素早い動きに対応するのがやっと。1回終了後、ドヘニーにクリンチで左腕で首を巻かれたボールは、相手に蹴りをかまし、ドヘニーが倒れ込む異様なシーンもあった。

2回以降も、状況は変わらず早い動きで出続けるボールにドヘニーは苦戦。6回にはボールがクリンチの攻防でドヘニーを投げ飛ばすと、ドヘニーもなりふり構わないパワーを見せるボールの行動に首を横に振って呆れる様子も。

すると9回には、これまでボールの無数のパンチを受け続けたダメージからか、ドヘニーは接近戦からクリンチに移行する瞬間にボールの右フックが首元にラリアットのような形で薙ぎ倒される。ドヘニーは踏ん張る力もなく倒れ、ボールはこの行為で減点1を宣告された。ただそんな反則も何のその。10回はボールの猛攻にドヘニーはふらふらになりながらも、なんとかこのラウンドを切り抜けるが、その後、棄権した。

モンスター井上と同様にドヘニーを棄権させるほどの圧倒勝利を飾ったボール。噂される井上対ボールの対戦が実現すれば、白熱の戦いとなることだろう。そして井上の勝利と日本人史上初の5階級制覇を達成する姿に期待したいところだ。

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