ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手が18日に東京ドームで行われたシカゴ・カブスとの開幕戦に先発。5回1失点と好投し、カブスの今永昇太投手との日本人投手の投げ合いを制した。
MLBにおいて開幕戦で日本人投手が投げ合うのは史上初。そして開幕投手として勝利を挙げたのは、2000年、2003年の野茂英雄氏、2009年の黒田博樹氏、2019年の田中将大に続いて、4人目となった。
ただこの大事な試合、山本の初回のマウンドは、いきなりトラブルから始まった。先頭打者に対して1球目を投じる前に、ピッチコムの不具合が起こり、プレートを外してアピールするも、これがいきなりピッチクロック違反となる。1-0から始まり、ボール先行。フルカウントから四球を与える不安な立ち上がりとなるが、初回から全力投球で臨み、2人目の鈴木誠也を遊飛に打ち取ると、後続もきっちりキレの良いボールで抑え無失点で切り抜けることに成功した。
2回表をカブスの今永がピンチを背負いながらも無失点で切り抜け、試合がどう転ぶかわからない緊張感が続く中、山本が2回のマウンドに上がる。鋭い球を投じるも、一死から6番ダンズビー・スワンソンに中前打、二死二塁とし8番ミゲル・アマヤに右中間を破られ適時二塁打を浴びて先制点を献上してしまう。
だが山本の真骨頂はここからだった。3回は得点圏に再びランナーを背負うも粘投。4回に2三振を奪い、この試合初の3者凡退に切って落とした。そして5回はテンポ良く2死を奪うと3人目のイアン・ハップを155キロの直球で見逃し三振にとると、マウンド上で雄叫びを上げた。
山本はこの試合、5回72球を投げ、3安打1四球1失点4三振の力投。チームは山本の粘りのピッチングの甲斐あり、5回に逆転し、そのままリードを広げて勝利した。
試合後に山本は自身の投球を振り返ると「緊張感は凄くあった。けれどもウオーミングアップから体の状態が良かった。何とか落ち着いてマウンドに上がることができた」と語った。ピッチコムの不具合の場面いついては「ピッチコムの調子が悪くて止めたが、ギリギリの時間になっていてボールになってしまった。ちょっと驚いたが、切り替えて投げることができた」とトラブルにも冷静に対処していたことを明かした。
緊迫感のある日本人投手同士の投げ合いとなった開幕戦。2戦目にはドジャースの先発として佐々木朗希投手が登板する予定だ。この日の山本と今永の投げっぷりに匹敵するような、素晴らしい投球を彼にも期待したい。